十四話
第26世界インラーシダ、ラギラスタ
ラギラスタは魔法と科学が融合し発展したこの世界の工場地帯である、様々な企業の工場が密集している
「本当人居ないのね」
明日奈が辺りを見渡しながら言う
「夜中は特にな、みんな工場で働いてるから殆ど人の出入りがねぇのさ」
「潜入任務には、打って付けの時間だな」
辺りに人が居ないため三人は隠れる事無く歩いている
「まぁそれもここまでだ、見ろよ、うじゃうじゃ居やがるぜ」
三人はこれから潜入する企業バーニーズカンパニーの工場を物陰から見る、武装をした監視兵がかなりの人数おり、警備はかなり厳重だ
「どうするの?」
「任せな、着いて来い」
ギルダーツは人目の付かないマンホールを開ける
「ここから行くぞ」
「ええ」
「おう!」
三人はマンホールの下に降りて行った
下水
三人は下に降りると工場の方向に歩き始める
「警戒しとけよ、もしかしたらここにも監視兵が居るかもしれねぇ」
三人は警戒しながら歩いて行く
「お前ら止まれ」
ギルダーツが声を潜めながら止まるように言う、そして二人が止まったのを確認するとゆっくりと曲がり角の先を見る
「居やがったな」
「二人ね」
「どうすんだ?後ろの梯子あれが工場の中に通じてるんだろ?」
工場の中に通じる梯子の前には二人の監視兵がいるのだ
「潰すしかねぇな、お前ら待ってろ」
ギルダーツはそう言うと腰のホルスターから二丁の魔法銃を取り出す、ギルダーツの戦い方は二丁拳銃を使った中距離戦だ接近して来た敵には足技で対抗する
「それ、私のとは違うね」
「お前のは鉄の国製だろ?俺のはこの世界の良い奴さ、お前の銃も良い物だが俺の相棒には勝てねぇ」
そう言うとギルダーツは駆ける、一瞬で射程まで近付くと銃を二発撃った
「うっ!」
「ぐはっ!」
男二人は倒れた
「眠らせたのね」
「殺すこたぁねぇからな、さてここからはお楽しみだ行くぜ二人とも」
三人は眠らせた二人をロープで縛ると梯子を登り中に入った
工場内
三人が登った先そこは資材置き場のようだ
「色々あるのね、この金属何かしら?」
「それはオリハルコンさ、まさかこんなにあるとはな希少なんだぜ?どんな世界でもな」
倉庫の一角には大量の白く光る鉱石があり、明日奈の尻尾がその魔力に反応してビンビンになっている
「尻尾が反応しちまうな」
「そうね、何も無いのに毛が立っちゃう」
明日奈は尻尾を触りながらオリハルコンを触ってみる
「凄い魔力ね、尻尾がバチバチするわ」
「はははお前らの尻尾おもしれぇな、ほら遊んでないで行くぞ、見つかるなよ?」
ギルダーツの注意を聞き明日奈はオリハルコンを元の場所に戻すと、二人の元に戻った、顔だけをそっと出し周りに監視兵が居ないことを確認すると三人は倉庫を出た
「ちゃんとドア閉めとけよ、開いてたら侵入された事がバレるかもしれねぇからな」
ウィリアムはちゃんとドアを閉めると、それを確認したギルダーツを先頭にして身を潜めながら一行は歩いていく
「コンソールルームはこっちだな」
ギルダーツは最初の曲がり角を右に曲がると次はまっすぐ進む、角を曲がる時は一番後ろの明日奈が後方を確認しギルダーツが角の先を確認している
「ギルさん中はそんなに厳重な警備じゃ無いっすね」
「だな、でも油断すんなよ」
三人は警戒しながら進んで行く
三人はコンソールルームの前に着いた、だがそのドアの前には警備兵が立っている
「どうするの?、地下と同じようには行かないわよね?」
「こんな時はこうすんのさ」
ギルダーツは睡眠爆弾を取り出すと投げた
「暫く待てよ、効果は一分間だ」
一分後、明日奈が顔を出すと警備兵は眠っていた
「便利ね」
「俺もギルさんに教わったけど、睡眠爆弾って潜入任務には必須なんだぜ?」
「ふーん」
三人はコンソールルームに辿り着いた
「さて開けるぞ、中に敵が居るかもしれんからな、警戒は怠るな」
ギルダーツがドアの横にあるスイッチを押す、明日奈とウィリアムはドアの左右に立ち警戒する
「中に敵は無し、こいつらも中に入れましょう」
「だな」
三人は中に入ると端末を弄り情報を引き出し始めた




