二話
城塞都市
明日奈の剣がクリスティの首に迫る、が一つの影が現れると明日奈の剣を防いだ
「まさかあんたがそんな風になるとはね明日奈」
「そうだぜ明日奈さん、今のあんたは私が憧れたあの頃のあんたじゃねえ」
明日奈の前に現れたのは愛奈と飛鳥だった
「愛奈、飛鳥・・・」
明日奈は剣を引くと後ずさった
「なんでこの世界にいるの?」
「そりゃ二年経ったのにあんたが中々迎えに来ないからじゃない、私達は待ってたのよ!」
明日奈は相当混乱しているようだ
「それでもなんで?あなた達には世界を渡る方法なんてないはずだわ!」
「私達が準備せずに待っていたとでも思っていたの?お爺ちゃんに話して氷河って人を呼んで貰ったの、それでその人に弟子入りするつもりだったんだけど断られてね、別の天狐様に弟子入りしたの」
明日奈は理解した、恐らくこの世界に来れたのはその天狐のおかげだろうと
「私に何のようなの?」
「この人達を助けるのが第一目標、第二目標はこうする事」
愛奈は明日奈に近付くと思いっきりその頬をぶった
「うっ」
「あんたは何をしているのよ!どうしようもない不良少女だけど優しくて、困ってる人がいたらチームの皆を使ってまで助けてあげていた私はそんなあんたが好きだったのに!そんな目をして!髪も私はあんたの綺麗な金色の髪が好きだったのに、ねぇ明日奈どうしたのよ・・・」
「私は・・・」
愛奈が明日奈を抱きしめる
「ねぇ明日奈、あんた本当はこんな事したくないんでしょ?だってあんたは誰よりも優しい子でしょう?」
「だって憎いんだもん、私を虐めて!暴力を振るって!私から全てを奪った人間が憎いんだよ・・・どうしたら良いの?もう分からないんだよ」
愛奈がさらに明日奈をキツく抱き締める
「許したら良いの、もう憎しみなんて忘れちゃいなさい!あんたは泣き虫だけど強い子でしょう?」
「私は強くなんて無いよ、憎しみに負けちゃったんだもん」
そう言う明日奈の頭を愛奈が撫でる
「そうね負けちゃったわね、今からその憎しみに打ち勝ちなさい!私の知っている明日奈なら勝てる筈よ!」
「それじゃ手伝って、私の中にはもう一人私がいるの、闇の私でも光の私でも無い十歳の頃の私、あの子が悲しんでいる限り私は元には戻れない」
明日奈はしっかりと愛奈の瞳を見て言った
「どうしたらいいの?」
「私の頭に触れてくれる?、そうしたら私の精神世界に入れる、そこで十歳の頃の私を探して欲しいの」
愛奈は頷く
「分かったわ、クリスティ君に鈴ちゃんだったわね、手伝って!」
「はい!」
「おう!」
鈴とクリスティもやる気だ
「それじゃ飛鳥、明日奈の中に入っている間、周り警戒をお願い」
「おう任せろ!」
愛奈がクリスティと鈴の顔を見て頷くと明日奈の頭に触れた
「いつでも良いわよ、明日奈」
「それじゃ行くよ!」
明日奈は目を閉じると三人を精神世界に迎え入れた
飛鳥は無事三人が明日奈の中に入れたのを三人の前で手を振ったり声をかけたりして確認すると辺りの警戒を始めた
「さて出て来いよ、誰かいるんだろ?」
「よく分かったね、さすが明日奈の世界来たからお友達だ」
現れたのは響だった
「あんたが明日奈さんを騙くらかしてこんな風にしちまった奴か!」
「そうだと言ったら?」
飛鳥は叫ぶ
「ぶん殴るだけだ!」
飛鳥は響に飛びかかった、飛鳥は明日奈に教えて貰ったの喧嘩の仕方をさらに発展させた戦い方だ、まず相手の足を狙いバランスを崩させると頭突きをし、腹を殴った
「何!?この強さは!」
「師匠が強えからな、私も強くなった、あんたも本気で来いよ!」
飛鳥は響を挑発する
「そうだね本気でやらせて貰おうか」
響は魔力を解放する
「へっ凄ぇな、でも持たせる!明日奈さんの為だからな!」
飛鳥は魔力を解放した響に怯まずに戦う
明日奈の精神世界
三人が目を開けるとそこは真っ白な世界だった
「ここが明日奈の中ね」
「そうみたいだな、ええっと愛奈さんだっけか?」
クリスティが愛奈の名前を確認する
「そうよよろしくね、クリスティ君に鈴ちゃん、それじゃ行きましょうか、十歳の頃のあの子を救いに」
「おう!」
「はい、行きましょう!」
三人は真っ白な世界を歩き始めた
明日奈の心を救ったのは愛奈のビンタでした
ですが明日奈を心を本当に救う為には幼い頃の明日奈を救う必要があるのです




