十二話
遺跡地下
明日奈達三人は遺跡の地下へ向かっていた
「階段があるって事は昔ここに住んでいた人達は魔力収束地点に良く行ってたって事だよね?」
「そうでしょうね、何をしていたのかは分からないけど」
三人は階段を降りていくそして一番下に着いた
「凄ーい、何か壁がキラキラしてるね」
「えぇ明日奈あなたはあの中心の魔力収束地点を調べてくれる?私と黒騎士は壁を調べるわ」
明日奈は頷く
「分かった」
「ただ強力な魔力の渦だからね触っちゃ駄目よ!」
明日奈は収束地点に向かいながら手をヒラヒラと振る
「分かってる」
明日奈は収束地点に来ると手をかざしてみる
「呑まれそうだね、でもここに魔力を貯める装置を置いたら良い魔力プラントになりそう」
強力な魔道具を作る為には大量の魔力が必要だ、明日奈が持っている魔剣も大量の人間が魔力を注ぎ込むことで出来た物だ
「ん?どうしたの?」
普段は素直な魔剣がカタカタと動き始めた、普段は人間の血を吸わせれば何も文句を言わない素直な魔剣なのだが
「もしかして、ここの魔力を吸いたいの?駄目だよ、リナに触るなって言われたでしょ」
明日奈がそう言ってもカタカタと魔力を吸わせろと抗議して来る、明日奈は仕方なく剣を抜いた
「この収束点を暴走させちゃ駄目だよ?」
明日奈はそう言うと魔剣を収束点に向けて掲げる、剣はキラリと光り主人の言うことを聞いた
「そんなに美味しいの?」
剣はキラキラと光る、美味しいようだ
「はい終わり、これ以上吸ったら暴走しそうだしね」
剣は残念そうに薄く光るが文句は無いようだ
「さて、二人は鉱石を取ってるみたいだし私も手伝おっと」
明日奈は二人の元に向かった
明日奈はリナと黒騎士の元に向うと話しかけた
「二人とも良い物取れた?」
「えぇ!素晴らしいわよこの鉱石は!」
「うむ高濃度の魔力を含んでいるからな、良い魔剣や魔道具の材料になるだろう」
明日奈は自分の剣を触りながら質問する
「この子より?」
「それは無いわ、だってそれはどれだけ大量な魔力を注ぎ込まれて作られた魔剣だと思ってるの、それを超える剣を作るのはかなり難しいのよ」
黒騎士も答える
「魔剣ブラッドローズ最高の魔剣の一つだ、使い手が中々見つからなかった剣なのだがな、お前の中の恨みや復讐心に惚れたのだろうな」
「そんなに気難しいかなぁ?すぐに懐いてくれたけど」
明日奈が響にこの剣を渡された時、特に何も問題なく触る事が出来、抜くことも簡単に出来た、その為明日奈にとってはとても素直な剣なのだ
「それがおかしいのよ・・・さっ良い鉱石も取れたし帰りましょう」
「はーい」
明日奈達は遺跡を後にした
デスイーター本部
三人が本部に戻ると黒騎士は解析班を遺跡に連れて行くと言いながら行ってしまったので、二人で報告に向かった
「響いる?取って来たよ」
「そうか!よくやってくれた、秘宝を見せてくれるかい?」
明日奈は袋から秘宝を取り出すと響に渡した
「確かに本物だ、よくやってくれたね明日奈、さすが俺の最高の部下だ」
「えへへ」
リナが鉱石を取り出すと響の机の上に置いた
「これは?」
「これは遺跡の地下の魔力収束地点の壁から取れた物よ、かなり良質な魔法石よ」
響は明かりにかざしながら魔法石を見る
「ふむ、確かにかなりの純度の魔法石だ、これは組織の役に立つ良く採って来てくれたねリナ」
「いえ、これも組織の為ですもの」
リナは淡々としている
「本当に良くやってくれた、今日はもう休むと良い」
「うん」
「そうさせて貰うわ、行くわよ明日奈」
明日奈とリナは響の部屋を出て行った
リナの部屋
明日奈とリナは持って来た、容器を開けていた
「おお!これはお魚だよ!」
「こっちはチキンね、でも温めた方が美味しそう」
机には色々な容器が蓋を開けられている
「失礼します!」
ドアを開けて入って来たのは、一般構成員のノエルだ、猫族の明日奈と歳の近い少女だ
「あっノエル良く来たね!ほら美味しそうでしょ?」
「確かに美味しそうです、それは魚ですか?」
ノエルは魚が入った容器を見ると目を輝かせる
「うん、食べる?」
「勿論食べますにゃ!」
ノエルは興奮すると語尾ににゃと付いてしまうのだ、普段は抑えているのだが
「はいどうぞ、それと語尾にまたにゃって付いてるよ?」
「ハッ!またやってしまったにゃ、ってまたにゃって付いたにゃ、また・・・もうどうしようも無いにゃ」
明日奈とリナはその様子を見てクスクス笑う
「笑わないで欲しいにゃ」
「だって面白いんだもん」
「ノエル・・・ぷっそれは反則よ!」
三人のお食事会はしばらく続いたそうだ




