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ま行
ま行は他の音たちより比較的行動的ではないので、穏健派と思われた。だが、それはうわべだけで、彼らは常にストレスにさらされ、苛苛むずむずとしていた。”ま”は人のいい誠実な上司のようだと思われたが、腹の内ではストレスを抱え、人目につかない所でそれを発散していた。”み”に至っては人をねちこく毒舌で責めるのが好きで、ま行の中では非常に嫌われていた。”む”は無口であったが、それは苛苛しているためであり、無口と言うよりむすっとしていた。彼一人で「無」を表現できたが、彼にとってはその意味を投げやりだと思っていた。”め”は”み”の次に嫌われていた。彼は人を裁くのが好きであった。五十音字の些細な悪事に目=「め」をつけ、「だめ」「やめ」「さだめ」と禁止ばかりしていた。彼は道徳家と言うよりサディストだった。そんな神経質なま行たちだが、最も寛容なのは”も”であった。苛苛していても彼は笑いながら許し、優しく対応した。
ま行と気が会うのは意外な事に攻撃的なか行であった。もしかしたら神経質さの質が違うから、お互いそれで牽制し合っているのかもしれない。




