--+Second+--
入園日。校門の前に立つとここの生徒なのだと実感が湧く。
動きやすいというきちんとした理由でズボンを履こうとすると,はしたないと怒られたため,キュロットを履くことにした。
少し長めのジャケットはマントの様にも感じれる。
学生証を貰い,寮に移ると角部屋だった。
荷物を置くと,校内放送が流れた。
「アルベール学園にようこそ。実技試験を行いますので,中央ホールにお集まりください。」
そう言われて,中央ホールに向かうと,木刀を持たされる。
「え,どうしましょう…剣なんか…。」
「男性でもありませんのに…。」
女性=魔術 男性=剣,魔術 古来の方針に捕らわれない。新しさ。それが,学園長の方針だ。
周りの嬢様達が愚痴をこぼす中,キラキラと目を輝かしていると,人の声が聞こえる。
「あ,あのっ!やめっ,」
不思議に思って,見に行くと,人が虐められそうになっている。
助けるべきなんだろうか?ここ数年家族以外の人に会っていないためわからない。
しかし,魔法を使った瞬間,ムイの身体は無意識のうちに働いた。
魔法を使った虐めは許せないのだ。
「やめなよ。」
そう,咄嗟に言ってしまった。
「何故?貴方には関係ないじゃない。」
はぁ…。こういう話が通じないやつが一番めんどくさい。知識障害かよ。
「早くしないと…その首,いつまであるか,わかんないよ?」
そう言いながら,木刀を一番近い奴の首にあてる。
そうすると、彼女等はかん高い声を出しながら逃げて行った。
「だ…大丈夫?」
「はい!ありがとうございます!」
「誰だったんだろ…」
そう,ただのひとりごとのつもりだった。
「今のは,ガーベラ嬢とウィル嬢,そしてマイ嬢ですわ。」
「あぁ,,ありがとう。えっと…」
「申し遅れました。私,フィアナ・ココレットと申します。」
「私は,,」
「ムイ・クロムウェル様ですよね。
私,記憶力が良くて,この学園にいる人全員おぼえていますの。」
「へぇ!それは凄いな。」
そう思い,戻ろうとすると,
「あの!私と‘お友達’になっていただけませんか?!」
‘お友達’それは一生,ムイに関わりのない人生だと思ってた。
家族とメイドのリリ以外仲良くならなくてもいいし,その方が楽だと思っていたから。
しかし,逆にいないほうがそれはそれめんどくさいのでは?
巻き込まれた時に何かあって今この家族やリリがいない状況。
__ ムイ は‘オトモダチ’が必要だと学んだ!!__
「えぇ,お友達,なりましょう。」
__ ムイ は‘オトモダチ’が出来た!!__
嬉しいと言わんばかりの笑みを浮かべて,次の移動に向けて急ごうとしている。結局,授業は参加出来なかった。
冷たい風が,いつもより生温かい。
久々に,また楽しみになってきた。
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お昼休憩となって,1時間の授業が終わったらサークルを選ぶらしい。
「クロムウェル様!一緒にお昼ご飯食べませんか?」
「いいよ。あと,敬語なくして,名前で読んで,慣れないから。」
今までクロムウェル様と呼ばれていたのは家族だけだった。だから少しむず痒くて仕方がない。
「敬語は癖でして…。でも名前なら…。ムイ様。」
そう言いながらニコニコと笑う。
「私のことも名前でお呼びください。フィアナは長いのでフィアとでも。」
「じゃぁ,‘フィア’よろしく。」
「はい!!」
フィアは太陽のようだな。
「そういえば知っていらっしゃいますか?」
「何が?」
「あの,北の国の皇子のディオン・ヴィリアス第三皇子の噂ですよ!!
早速好順位を取られたそうで…。凄いと思いません!?」
好順位ねぇ…。どのくらいのことを言うんだか。
「この間,私達はサボってしまったので…。」
「でも、悪い事を一緒にしてしまうのも,友達のイイ所なんじゃないの?」
「っ!優しいんですね。ムイ様は。」
そうやって微笑むから,私もつい笑ってしまうんだ。
「フィアは何かサークルに入るの?」
「そうですね。まだ決めておりませんわ。」
「じゃぁ…一緒に回ろうよ。
友達…なんだし。」
慣れない事をした。何か間違えたかな。
そんなことムイは考えていたが,フィアは気にしなかった。
「もちろんですわ!!!!次の授業も一緒に行きましょう!!!!!」
「そ,そこまでしなくていいから!!!」
読んでくださりありがとうございます。




