通常弾9999発だ!!!
「ん…」
目が覚めると、俺は風呂に入って、飯を食べ、
早速ダンジョンに向かう準備を整える。
今あるのは爆裂弾が17発と拡散弾8発というところだろうか、
明らかに装備不足だし、準備していこう。
今回の目標は、前回と同じようにレベル上げをメインで行いながら、
効率を上げていくべきだろう。
まあそりゃ、ゲームだったらどんどん先に降りて、
たくさん経験値をもらうのが常識だろうけれども、
実際に命がかかっている訳だしな。
「よう、昨日ぶりだな」
「ああ、昨日の坊やじゃないか」
「今日はもう少し安い弾が欲しいな。 その代わり大量に」
俺の言葉を聞くと、武器屋のおばさんは笑う、
「ほう、やっぱり怖気付いたのかい?」
「ちがう、戦うモンスターが弱すぎて、赤字だったんだよ」
「はっはっは、それじゃあ今回は何が欲しいんだい?」
「通常弾…9999発だ」
「あんた、2日目なのにやる気満々だねえ」
「ああ、そのくらいしないと利益が上がらないんでな」
「よし、じゃあ、撃ちきって来な! ひゃっひゃっひゃ。 値段は1000ゴールドだ」
「よしきた!」
武器を手に入れると、今度はそのまま百貨店に向かう。
「はい、何かお探しでしょうか?」
「笛だ、 高くて頑丈なやつをくれ」
「笛ですか…それならこのアルミニウム製のやつはいかがでしょう? 3000ゴールドです」
「よし買った!」
そして、水と、念の為の携帯食料を買うと、
そのままダンジョンへと向かっていく。
「さて、今日もレベリングだな」
ノエル LV6
体力 105/105
魔力ポイント17/17
攻撃力 25
魔法攻撃力 33
防御力 22
俊敏 25
武器
ボウガン ATK +50
ダンジョン1階にくると、この前見つけた行き止まり、
つまりレベリングスポットへと到着し、笛を吹く。
ピイイイイイーーーー
そういうとすぐにモンスターが集まってくる。
「ふうん、今日も俺の経験値になってくれよなっ、 フリーズ!!!」
30体ほどいた魔物の群れが、一気に凍りつき、
魔石へと変わっていく。
「俺TUEEEEEE!!!」
そして、いなくなれば笛を吹く、
敵が多ければフリーズ、敵が少なければ通常弾で処理していく。
パンパンパン。
通常弾は強い弾と違って火力、攻撃範囲こそないものの、
反動も少なく、快適性に優れている。
フェンリルベビーや、時たま出てくるポイズンとかげなど、小さいモンスターを相手にするにはとても効果的だ。
「フリーズ!!!」
パリンッ
笛による効率的なハントのおかげで、
1時間ちょっとでリュックがパンパンになる。
「帰還魔法陣、展開!」
そして、受付の人に会うと、
また同じようにモンスターの魔石を1万ゴールドに変えてもらう。
そして、またそのままの足でダンジョンへと潜り、
笛でモンスターをまとめて呼び寄せて、魔法なり、通常弾なりでやっつけていく。
「帰還魔法陣、展開!」
やればやるほど動きは洗練され、
まるで無駄のない、効率的な動きへと変わっていく。
「じゃあ、これを換金してもらって…」
「は、はい… あの、もうこれで今日3回目になると思うんですけど…」
「ああ、そうですね…」
「そうですね…じゃないですよ、流石にペースが早過ぎるというか…」
「ああ、そうですね… あの、時間が惜しいので早く換金してもらえますか?」
「は、はいっ、すみません!!」
1時間で魔力ポイントは全回復できるわけなんで、
そりゃ、急がなければならない。
せかせかした動きで初級ダンジョンへと戻り、
いつもの場所で狩りを再開していく。
みるみるうちにレベルが上がって、
自分の攻撃の威力が上がり、敵の攻撃の動きが遅く見えるようになり、
魔法の威力と攻撃範囲は上がっていく。
「クソッ、もっとデカイ収納が必要だな…というか、この稼ぎ方なら魔法陣の上に魔石を置いておけば一緒にワープするんじゃないか?」
そう思ってからは、もはや魔石の数など考えずに敵を呼んでは倒す、
呼び出しては、倒す。
ゲームと違ってロード時間なんて存在しないのだ。
「クソッ笛吹き専用の人間を雇いたいな…」
9999発の通常弾を撃ち尽くした時には、
そんな感想しか出てこなかった。
ノエル LV13
体力 172/250
魔力ポイント23/68
攻撃力 106
魔法攻撃力 142
防御力 121
俊敏 130
武器
ボウガン ATK +50