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武器には金をかけます



「あの、すみません」



「なんだい? ここは武器屋だよ。 あんたみたいなのには無縁な店さ」



「あ、いや、これからダンジョンに潜ってみようと思って」



俺がそういうと、武器屋のおばさんは嫌な顔をする。



「ふん、どうせ3日坊主になるに決まってるからやめときな。 今時の若者は根性なししかいやしないのさ」



「まあ、それはそうかもですね。  あれ、それは…?」



「ボウガンさ、確かにこれなら運動音痴そうなあんたでも、ゴブリンくらいなら倒せるかも知れないねえ」



「そうか、じゃあ、ボウガンを1丁」



「でもこいつは弾が必要だよ?」



「ああ、そっか。 じゃあ、とりあえず1番高い弾を100発ほど…」



「ふうん、だがこいつは1発1000ゴールドするけど、払えるのかね?」



「ああ、命は大事にだからな…」




大体にして友達もいない引きこもりに、使う金なんてある訳ないんだからな。




「ほう…案外賢いじゃないか。 ほらよ、これが爆裂弾だよ。  それからこれが拡散弾。  あんたは金払いがいいから、特別につけといてやるよ…」




「ありがとう。  それじゃあ、早速ダンジョンに潜るとするかな…」



「ほら、会計は50万ゴールドだよ」



「はいはい」



50万ゴールドといえば、まあ、学生アルバイトだと3年分くらいだろうか…

俺の場合は進学しなかったから、アルバイトをフルタイムでやって半年分くらいだろうか。



しかしまあ、装備を整えるのはダンジョンの基本だしな。



ゲームだと最初は弱い装備しか売ってないのがお約束だけど、

現実世界では、まあ、そんなことはないに決まっている訳だもの。




それにしても、じっくり持ってみると…その、かっこいいな。



見た目はショットガンのような両手で持つタイプのボウガンであり、

金属の重厚な感じ…それから…



ガチャガチャとリロードする際も、なんか俺、冒険者やってるって気持ちになる。



使い方を一通り教わりながら、

武器を調整していく…



一番弱い通常弾を試し撃ちに使わせてもらった訳だけれど、

バン、という火薬が弾ける音が気持ちいいのだ。




よーし、早速ダンジョン潜るか〜







そんなわけで、この街にある初級のダンジョンに向かっていくと、

冒険者たちの姿が目に映る。



中には知っている顔もある。



「あれ?ノエルじゃない? 一体どうしたの?」



そう言って来たのは。うちの常連であるチームブリザードのリーダーでもあるエルだ。



「いや、その、俺もダンジョンに潜ってみようかなあ、なんて…」



ぶっちゃけ、怒られるような気もする、

ただのショップ店員が、軽い気持ちでこんな場所に来るなんて、正直バツが悪い。



けれどもそんな俺の気持ちを察したのか、

エルはなにも言わずに、




「ふうん、でも一人なんでしょ?  本気なら仲間くらいは、作った方がいいと思うよー。  それじゃあ私も行ってくるから」




そう言って、エル仲間たちと共には3つある入り口の2番目へと向かっていった。



2番目といえば、中級のダンジョンである。



…ふむ、仲間か…




「そんな簡単に仲間ができるなら、苦労しないんだよな…」



人生で1度も仲間なんてできたことはなかった、

仲間と呼べる人間がそばにいたら、それこそ別に冒険者じゃなくたって、そこそこ人生楽しいんじゃないだろうか。




「まあ、そんなのはどうでもいい、とりあえず初級ダンジョンに突っ走るぞ!!!」



そういうと、俺は一番左の初級ダンジョンと書かれたところへと進んでいく…



受付の人に声をかけられる。




「はい、こちら初級ダンジョンの受付になります。 万が一死亡した時に備えて、冒険者の登録をしております。 おや? データがありませんね。 もしかして今日が初めてですか?」



「ああ」



「それでしたら、まずはこのカードをお持ちください。 これはあなたの冒険者カードであり、あなたの能力を示します。  そういう訳で、こちらを受け取ってください」



そう言って俺が手にすると、カードが光り出して、俺のステータスを登録していく。




ノエル LV1  



冒険者ランク1



体力 50/50


魔力ポイント0



攻撃力 3


魔法攻撃力 8


防御力 5


俊敏 2



武器


ボウガン  ATK +50




完全にゲームで草と思いながら、

俺はそのカードを見る。



っていうか武器強すぎないか?




「はい、これで登録されました。 それでは行ってらっしゃいませ」



「ああ、ありがとな」




そう言って俺は初級ダンジョンへと足を踏み入れた。




ここから俺の冒険が始まるんだな!!!




俺の気持ちは、最高に高まっていた。


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