【最速で公約違反】石破茂新首相、10月27日投開票へ【大義無し】
◇前代未聞の首相就任前に“公約違反”
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は就任した途端に公約違反をした石破新首相と、「衆議院の解散」について触れていこうと思います。
質問者:
石破さんはあっという間に解散を宣言してしまいましたね……。
10月9日解散、10月27日総選挙って言われていた中で最速じゃないですか……。
筆者:
石破氏は8月24日、鳥取県で出馬表明会見した際に衆院解散の時期について問われた際に、
「全閣僚出席型の予算委員会を一通り行い、この政権は何を考え、目指そうとしているのか、国民に示した段階で、可能な限り早く信を問うべき」
と予算委員会を行ってから解散総選挙という事を述べられていました。
総裁選中でも小泉氏が早々に信を問うという事に対して「自分は違う」と言った姿勢を見せていましたしね。
基本的には公約なんて参考程度だと思っていましたけど、これほど早く覆されるのは“史上最速“と言っても良いんじゃないでしょうか?
他の公約も良い政策ほど信頼に値しないといっていいと思いますね。
質問者:
そもそも、首相に正式就任する前から内閣総理大臣にしかできない解散することを明言するってちょっと異常ですよね……。
筆者:
もう「俺様は総理大臣だ」と言う傲慢さが見えますよね。
石破氏は9月27日午後の決選投票直前の演説では、
「逃げることなく正面から語る自民党を、勇気と真心をもって真実を語る自民党を作っていく」
と述べられていたようなんですけど、正面から語ることなく「自ら示した大義すら無い解散」という事をよく理解することが大事です。
ただ現状において石破氏にとっての解散のタイミングは「最善手」であることも否定できないわけです。
というのも大体2か月ぐらいしか内閣支持率は持たない傾向にあるんですね。
3カ月目には菅内閣や麻生内閣は支持率と不支持率が逆転したことがありますからね。
国民がまともに判断不能のまま「期待感瞬間風速」でもって次の3年、4年を任せることは到底できないのですが、悲しいことにまたしても大きな面をして闊歩するという状況になりかねないわけです。
質問者:
実際に自民党が勝利する可能性はどれぐらいあるんですか?
筆者:
僕の予測で恐縮ですが80%の確率で現状維持、約20%の確率で自民単独過半数割れも自公で政権維持、自公での過半数割れでの政権交代又は政界再編は1%以下です。
質問者:
政権交代の可能性って1%以下ですか……。
筆者:
現在、自民党への不信・不満も非常に大きいですが、野党最大勢力の立憲民主党や維新の会も政党支持率の伸びが悪いです。
そうなると「相対的に自民党勝利」という可能性は非常に高い状況にありますからね。
21年の岸田前首相が「就任直後の選挙で勝てば支持率がどれだけ下がっても総裁任期同様3年は持つ」という「先例」を作ってしまったことも大きいと思います。
◇「内閣の専権事項」は「憲法解釈」で支えられている
質問者:
よく、「衆議院の解散は内閣の専権事項」と言われているんですけど、
憲法でそう規定されているんですか?
解散を内閣総理大臣が気軽にできちゃうような雰囲気が問題だと思うんですけど……。
筆者:
本来は長い法律論になるんですが、簡略的に説明させてもらいますと、
実を言うと「内閣が解散権を保持」みたいな形で明文化されているわけではありません。
衆院の解散については、
7条に天皇の国事行為として「内閣の助言と承認」に基づいて、衆院の解散が認められると解釈されていること、
69条の「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」とあるだけです。
実は明文化されておらず、そんなにホイホイと解散できるというわけでも内閣の専権事項と断言されているわけでもないです。
つまり、「現状の憲法解釈」でもってその力は担保されているに過ぎません。
最近よく政治資金の話で聞く「違法じゃない」や「内閣の解散権を制限する規定がない」って言うだけですね。
最高裁判所判例においては1960年のいわゆる「苫米地事件」で「衆議院解散に高度の政治性を認め、違法の審査は裁判所の権限の外(統治行為論)」であるとして、判断することすら拒んでいる形です。
質問者:
あ、意外と根拠が薄弱なものなんですね……。
「専権事項」だなんていうと凄そうですけど、「他の機関だとでき無さそう」ぐらいな感じとも言えそうですね……。
筆者:
ただ、全く議会や政党に解散に対して抵抗力が無いわけではありません
支持率が低い時に解散して負ければ過半数割れを阻止しても当然党内からは「降ろし」が起きて辞任に追い込まれます。
連立している公明党の「選挙3カ月前の大移動」を考慮してあげる必要もあります。
※住民票が3か月以上ある者にその地区の選挙権があるために、3カ月前までに公明党候補者がいる選挙区に公明党支持者が大移動する。
しかし、上記の理由は全て「与党の都合」であり、「国民にとって有益」とはとても言えないわけです。
基本的には「解散は内閣の専権事項」というのは政権側にとって非常に都合の良いタイミングで発動できる「伝家の宝刀」とも言える解釈と言えるでしょう。
質問者:
な、何だか本当に政治は「取引き」で成り立っている感じなんですね……。
筆者:
「民意を問う」と言うととてもカッコよく聞こえますけど組織票を駆使したテクニカルなことをやって自公が政権の座であり続けているということですね。
◇法律で解散権を縛ることが可能
質問者:
先ほどのお話ですと、憲法では大したことが書いていないという事が分かったんですが、法律で解散することを縛るという事は可能なんですか?
筆者:
可能ですね。
実際に可決される可能性がゼロなので誰からも注目されていませんが、
23年秋には立憲民主党が解散権を制限する
『解散理由を事前に通知するよう内閣に求め、衆院の4分の1以上の要求があった場合は国会審議を義務付けることなどを柱とする。』
という内容の法案を出したことがありました。
質問者:
最低でも審議するのであれば「大義があるかどうか」ぐらいは国民は考える時間はありそうですね。
筆者:
ただ気になるのは立憲民主党は「野党だからこそ良い法案を出している」と言う可能性はあります。
使途を一切公開しなくていい官房機密費について麻生政権の時に追及していながら直後に政権を取ってからは全く手を付けなかったという事がありました。
結局のところ政権を取ると権力に目が眩んだり、自分たちに不利な法案を出さないので、国民にとってプラスになることをしなくなってしまう傾向があるという事ですね。
◇国民に出来ること
質問者:
「良い法案だけど成立しないと思っているから出す」
「権力の座に就くと自分に不利な法案は出さない」
これじゃ八方塞りじゃないですか……。
スイスみたいに国民側から法律を出せないですし……。
筆者:
正直なところ国民が色々なことを知らなさすぎるのだと思います。
マスコミが論点に上げないところは興味が無いという状況ですからね。
ただ、解散権については世間ではあまり注目されない枝葉末節とも言えるマニアックなお話だと思うので、世論が高まって改正にもっていくことは難しいのかなと思いますね。
質問者:
それならどうすればいいんでしょうか?
筆者:
事実上の「解散権封じ」を行うしかないという事です。
総裁選直後に総理就任・解散しても敗北するようになれば抑止力になりますし、
常時支持率が低ければ麻生内閣の時のような「追い込まれ解散」みたいなことになります。
最終的には国民が判断することなので、テクニカルな技を使えないぐらい民意を示すことなんだと思います。
質問者:
でも、政権交代可能性1%未満と言う予測じゃないですか……。
筆者:
既存野党にはどこも致命的に悪いところがあり、
具体的に「この党に入れたら日本が良くなる!」と断言できないところが本当に苦しいところです。
つまり、皆さんの価値尺度による消去法的選択しかありません。
実際にどの党に入れたらいいか衆院選が始まったらまた別に特集しますのでその時にまたご覧ください。
という事でここまでご覧いただきありがとうございました。
今回は石破新首相の解散は「大義無き解散」であること。「衆議院の解散権」は具体的には憲法で明文化されていないために法律で縛ることも可能だが、自主的に政権側が縛ることはしないので常時民意で示していくことが重要だとお伝えしました。
今後もこのような政治・経済、マスコミの問題について個人的な考察をしていきますのでどうぞご覧ください。