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オレンジ色の本。
なぜこの本が気になってしまったのだろう。
理由は正直俺にも分かっていない。
中のページをめくるとそこには
先ほど読み漁った解読不能な文字ではなく
日本語が書いてあった。
転生者の日記だった。
そこにはこの世界で得た知識、
魔法やモンスター、この世界の情勢など
たくさんのことが書いてあった。
数ページ読み進めたところで
ある文章に引っかかった。
"この世界は夢と希望と絶望に溢れている。
人々は殺し合い、モンスターや魔物の被害も
日々増加している。阿鼻叫喚な残酷なる世界は
人々と神により造られたのかも知れない。
現在、この文章を書いている時点で私以外の
転生者は見当たらない。
どうか絶望に負けないでほしい。
最低限ではあるが魔書を何冊か置いていく。
必要ならばどうか使ってくれ。"
「魔書ってなんだ?」
次のページには"翻訳" "危険察知" "鑑定"
といった書物の場所が記されていた。
もしかしてこれはスキルを得られる魔導書のことか?
俺はすぐさま指定された場所を探した。
絨毯を剥ぎ、床の板を取るとそこには
魔書があった。