6
家の中を漁り散らかせば散らかすほど
ここに住んでいた人間がどんな人物だったか
理解できそうな気がしている。
散々やばいやつだとサイコパスだと
勝手に勘違いしてしまっていたが、
かなり几帳面で勤勉家である。
実験の資料と思われるものや
魔法、スキルについて書いてある紙が
山のようにある。
ファルトリアに向かうのはここで
しっかりと準備をした後でいいだろう。
その前にできるだけ自分なりに理解してみようと思う。
森の中にいると死を想像してしまっていたが
いざ安全な場所に着くと魔法やスキルへの
探求が気になって仕方がない。
しょうがないだろ。男の浪漫だから!
家の天井に貼られている紙。
あれも多分魔法の一種だろうな。
うっすらと青く発光しているが
どんな効力かは分かっていない。
まあ、分からないことは後回しにしよう。
とりあえず汗かいたし、体でも流そう。
無事に体を清めた俺は書物をいくつか
解読してみようと試みた。
日記のような手書きの物
金色のガッシ○ベルさながらのカラフルな本
大小様々だがやはりどれも読めない。
「んーーー、やっぱりわかんねぇーわ」
この世界にも文字があるなら
勉強するしかないのだろう。
正直、生きていくには絶対に必要なものだろうが
めちゃくちゃめんどくさい。
通訳がいるわけでもないし
教本があるわけでもないということは、、
そういうことだ。
分からないなりに本を取って読み漁っていたら
一冊だけなぜか妙に惹かれる本があった。
カラフルな本の中にあった一冊だ。