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あなたには転生してもらいます。
【転生】
それは俺の心を動かす夢の言葉だ。
学生の頃から読み漁った小説や漫画には
転生という非現実的な現象が多くあった。
目の前に浮いている女優顔負けの
白ドレスを着た女は唐突に俺を
転生させるつもりらしい。
「えっと、、俺は死んだんですかね
いきなりすぎて状況がえっと、、、
分からないのですが、、 」
彼女は少しだけ驚いた顔をした
いや、そんな気がしただけかもしれない
"質問の答えですが死んではいません。
わかりやすく植物状態と言えば理解できますか"
「植物状態、、、?」
俺は昼休憩から取引先に向かう途中で
車に轢かれたらしい。
記憶は曖昧だが直前の記憶は微かに残っている。
気付いたら空の上のようなこの空間にいた訳だが。
"貴方の精神と肉体は分離してしまいました
戻ることは今後一切ありません
貴方には転生してもらいます"
「いきなりすぎて状況が整理できないし
なぜそんなに転生させたがるのですか、、?」
"それは契約だからです
貴方の人生が幸せでありますように"
その言葉が終わると同時に俺の意識は消えた。