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21 かしまし姉妹と兄妹

7/1 修正しました

「ちょっといいかな」

会話に割り込んだ楓は4人の視線を集めたが、気にせずに続ける。

「俺達はHSSの説明はある程度受けたけど、現場の人からどんな感じで活動しているのかを教えてくれないか?」

「ええ、いいですよ」とレナ。

「あたしもー。悪いけど準備しながらになるけどよろしくー」とペンチの傍に置いていたケースを開けて、カーミラと呼んでいる対物ライフルを取り出す。

「姉さま、荷重軽減魔法をかけるのでちょっと待って下さい」

「あーそっか、重いしね」

「いつもやっているので、覚えて下さい」

といったやり取りを済ませた後、レナが3人に向かいなおす。

「それで、どのような事を聞きたいのです?」

「そうだな、各捜査室の関係・・・まあ、仲がいいか悪いか。団員同士の人間関係で問題が発生していないか、あとはざっくりとなるけど来訪者戦で問題が今の体制で起きていないか、かな」

「楓…」美夏が少しあきれた表情を見せる。

「こういう事は最初に聞いておいた方がいいだろ?入った後に派閥争いに知らずに巻き込まれたなんて、害でしかないから知っておくべきだよ」

「ま、それはそうだけどね。ゴメンねいきなり切り込んじゃって」と美夏がレナに片手で祈る(謝罪)ポーズをする。

「いえ、気にしないですよ」

「差しさわりのない範囲でいいから、教えてもらえるかな」

「わかりました」と楓の質問をメモに取っていたレナが、それを見ながら答える。

「1点目、各捜査室の関係は悪くないと思います。それぞれ役割が異なっているのもありますね。どうしても戦闘力に優れる第3の発言力が高い傾向にあります」

「うーん、それで大きな問題は無いのか?」

「はい、バランスは第3の東室長がとっています、まあそれでもはみ出し気味な人は残念ながらいます」

「うえぇ」昨日、HSS本部で出会った細田の事を思い出した美冬が呻く。

「そういう人を止める方法って何かあるのかしら?」と美夏。

「うーん、一番簡単なのは自分達より強い事を示すという事ですね。主に捜査室ごとの来訪者戦の撃破率や貢献度を数値化する仕組みがあるんですけど、それで上回るとかです」

「一番簡単、という事はそれでも黙らない人がいる場合があるって事よね、それに対しては?」

「これはあまり推奨されていないんですど、HSSが公認した試合で白黒つける方法です。ルールはその時に決めるので変わります。あまりにも有利不利が起きる場合は試合自体が認められない事があります」

完全な肉弾戦タイプと詠唱で攻撃に遅延の起きやすい魔法使いとの相性はとても悪い、その逆もあり得るのでそう言った不公平を避けるためだろう。

たとえ、白黒ついても試合を認めるHSS側に対して試合者が不満を避けるために努力をしているようだ。

「へー。撃破数とかの事も知らなかったから助かったわ。試合の条件は結構きっちりとしているのね」

「ええ、もしそれを経ないで私闘をした場合は、法的にもHSS内部的にも処罰がもちろんあります」

「しっかりしているのね」

「HSSが出来てからもう30年以上経っているから、それくらい当然だぜ。が神代団長の口癖ですね」クスクスと口に手を当てて笑うレナ。

「レナ。こっちは準備できたよ。そろそろ配置につこう」

全長1.4mくらいの対物ライフル(以下カーミラ)をひょいっと両手持ちにする瑠華。

「重量軽減の魔法を付与しているの?すごいね」と付与の困難さを知っている美冬が言う。

「えへへ、レナちゃんは凄いんだよ。魔法の支援はほとんどレナちゃんがやってくれてるの」

瑠華が射撃を担い、レナが魔法を使ったツーマンセル体制なんだろうな、と楓は思う。

詳しくは次の機会に聞こうと決める。

「それじゃ、瑠華さんとレナさん。色々と教えてくれてありがとう。俺達は帰るよ」

「ええ、また会いましょうね」

「まったねー」

そう言う2人に楓達はそれぞれの仕草で挨拶をして、足を宝翔学園へ向けて行ったのだった。

表記ブレはちょくちょく直しますorz

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