巨木
ああ、スマホも通信出来ない程に離れてしまったようだぞ。
「わたしのスマホもダメです」
「それだけゲートから離れたし、飛行物体もワイバーンも見ないから見つかるリスクはないだろう」
「そうですね、ユウさん」
俺が年上だけど、こっちの世界だから下の名前で呼び合うことにしたんだ。
最初は、下の名前を呼ばれるって気恥ずかしいよなーー。
しかし、何日も経てば慣れるもんだよ。
1番年下のシズからは、アニキと呼ばれたりもしてるんだ。
「それにしても・・・大きな巨木ですね・・・」
俺もつられるに木を見上げたよ。
え!木に魔力が循環してるぞ。
「この木は魔物だぞ!!」
「嘘ですよね・・・こんなボロボロな老木が、あ!!動いた」
「皆!!気をつけるんだ!・・・ヒドラやってしまえーー」
全長4メートルの赤いトカゲのヒドラが、一瞬で炎に包まれて口から炎をふきだす。
まさに火炎放射のように木を燃やしてるぞ。
相手が木だけに、よく燃えながら巨木は暴れだす。
そんな高さ30メートル越えの巨木が「ドザンッ」と倒れても悶え苦しんでるぞ。
俺は、苦しみを楽にするためいに、火球を放った。
顔と認識した部分に命中して、「ドッサッ」と動きが止まったぜ。
この火球もサラマンダーを倒した時に習得。
ヒドラの馴れ初めは山の洞窟だ。
「ここを住まいにして活躍しようか」となって探索。
洞窟奥は、めちゃくちゃ熱くサラマンダーの棲家だったよ。
急いで逃げ出した時に、しつように追い駆けてきたのがヒドラだった。
なんとか池に突き落として退治。
中々手強い魔物だったよ。
あ、表示だ。
【植物魔法習得】
俺の異変に気づいたのかリサが・・・
「新たな魔物ですね・・・もしかして何か習得しましたか」
「ああ、植物魔法を・・・」
「アニキ、それって何ができるの」
「植物の成長を異常に速くしたりして、操れるらしいな・・・ただし一時的なもので死滅するらしい。操るのでなく成長だけなら生き続けるのも可能かな」
「それなら林檎のタネがあれば成長させて、たくさんの林檎が食べたいね」
「タネがあればの話だな・・・」
「何をのん気に話してるのよ!!大変よ森全体が動いてるわ」
それは本当だったぜ。森の全ての木が魔物だぞ。
根本が二股に分かれ、大地から根を引っこ抜いて歩いている。
大きな何本もある枝を手のように操ってもいるぞ。
俺は、倒したばかりの木に向かった召喚を発動。
炭になりかけた木が復活を遂げる。
「木よ、お前も戦え」
味方となった木が相手の木に衝撃の一撃をぶちかましたぞ。
木は、その一撃でへし折れた。
やはい召喚したことで強くなってるぞ。
ロックも駆け出して木に向かった鋭く引っかく。
「ベキベキ」と切り裂く。それでも倒れない。
今度は抱きつく。「バキボキッ」とへし折ってしまう。
刺激された皆が動き出したぞ。
オークは、基地から奪った斧で「コーン、コーン」と切り倒す。
あるオークは、槍を何度も刺し貫いて穴ぼこ状態にして仕留めた。
結界師となったシズは、木の中央に結界を発動。
そのまま消滅させる。中央部分が無くなった木は倒れるしかない。
ナナも、大剣を振り回して一撃で切りってるぞ。
キキの発動する風魔法で、木が攻撃する枝をことごとく切りはらう。
ライムも飛びつき消化。
そんな中でヒドラの活躍は凄まじい。
俺は、倒しては召喚するのがやっとだ。
あ!【サラマンダー進化可能】と表示。
「ヒドラよ、進化しろ!」
全長4メートルから8メートルに進化。
コウモリの羽までがはえて、まるで真っ赤なドラゴンだぞ。
そんな羽を羽ばたくぞ。巨大化した体を浮かせられるのか・・・
あ!呆気なく飛んだぞ。
そして炎を吐いた。
今までにない火力で一瞬に、5~8本の木を炭化させた。
「私とゴブは、活躍なしですね」
『何を言う・・・俺はリサを守り役』
「え!そうなの・・・あんな巨木を倒せるの・・・」
『見せてやる』
戦いの場に一瞬で到着。
ワンパンチで倒して、リサの所に戻って来ていた。
「ゴブって凄く強いのね」
『当たり前だ』
【オーク進化可能】
【オーク進化可能】
【コボルト進化可能】
又も表示だ。
全て進化させた。
コボルトのコボは、身長2.8メートルの男へ変貌。
筋肉まっちょになったよ。
そのままかと思いきや・・・身体か徐々に変化・・・これって狼男だぞ。
「ワオーー!」と吠えて木に向かった走り出す。
振り下ろす爪が一瞬で木を切裂く。
めちゃくちゃ強くなってるぞ。あんなに可愛いコボルトが・・・
そして、木人が29本を配下に・・・
『主の仰せのままに従います』
長く生きていたのか・・・めちゃくちゃ賢そうだ。
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