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第99話 酔いから覚めた後

「うにゃ!は!?」




 莉菜はようやく酔いから覚めた。動揺し、視線を彷徨わせた。




「私、もしかしてチョコレート食べて酔ったの?」




 一輝や羽矢をまじまじと見ながら、尋ねた。




 うんうん。




 一輝と羽矢は図ったかのように、ほぼ同時に頷いた。立派な皇帝の印だった。




「私、みんなに迷惑かけてない?」




 莉菜は不安そうな顔を浮かべた。明らかに、自身が何かしらをやらかしたと察する。




「まぁ、大したことはなかったよ」




 一輝は適切な言葉を発見できず、敢えて濁した表現を選択した。多少なりとも意味深のある表現になってしまった。




「え?それって迷惑かけたみたいな言い方だよね?やっぱり〜」




 莉菜は申し訳なさそうに一輝や莉菜に平謝りした。




 記憶はないが、自身が迷惑を掛けた。その事実は把握したようだ。




「謝らなくていいよ。酔ってたんだから仕方ないよ」




 一輝は落ち着かせるために、莉菜の両肩に右手と左手を置いた。




 ビクッと莉菜の方が反応した。




「本当に?」




 莉菜は心配そうに一輝を見つめた。瞳は潤み、ゆらりと左右に揺れる。




「うん。俺は莉菜の幼馴染だから多少のことは気にしないよ」




 一輝は優しい口調ながら、真剣な顔で答えた。




「うん。わかった。かずくんがそう言うなら」




 莉菜は2、3回頭を縦に振り、落ち着きを取り戻す。




 表情もわずかに和らいだ。




「そういうことだから。この話はここで終わり。そろそろご飯にしようか。美月、もう出来てる?」




 一輝は視線を美月の方へ移動させた。




「うん!準備万端だよ!!今日はお客様がいるからグラタンやフライドポテトなど普段よりも贅沢だよ!」




 美月はテーブルに料理を盛り付けた食器を移動させる途中だった。




「え!?もうそんな時間!」




 莉菜は慌てて、時計を確認した。時刻は19時を指す。




「もう酔ったことは忘れて。美月特製のご馳走を食べよ」




「ああ。そうだな!莉菜も早く座ろう」




 一輝と莉菜はテーブルのイスヘ腰を下ろした。




 莉菜は最初は呆然としていた。




 だが、すぐに微笑を作った。




「うん!すぐ座るよ!」

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