35話 あれから
「はぁはぁ・・・。焦って逃げてきちゃった・・・」
莉菜は息を荒らしながら、学校の正門前で立ち止まった。
走ってきたため、莉菜の額には汗が噴き出していた。
「あつい・・」
莉菜は制服のポケットからハンカチを取り出し、額の汗を拭いた。その些細な行動も不思議と絵になってしまう。
「咄嗟の私の行動にかずくん困ってないかな」
莉菜は一輝が身を置いているであろう自身のクラスの窓に視線を走らせた。それから、自分の行動を振り返り、恥ずかしくなったのか顔を赤くした。
「私、変態さんみたいじゃん!」
自分の行動を思い返して、莉菜は声を上げた。
「うぅ~、でもかずくんならそんな私も許容してくれるはずだよね?多分・・・」
莉菜は自身に言い聞かせるように願望を口に出す。そして、その願望はきっと叶うと確信したように、薄い笑みを浮かべる。
「それに、嬉しかったな。かずくんが私のことを心配してるって口にしてくれて」
莉菜は自分の胸に手を当てて、鼓動を感じ取るかのように目を閉じた。顔もみるみる赤く変貌する。その上、気を紛らわすようにロングの髪をいじる。
「かずくんって本当に優しいよね・・」
顔は恋する乙女そのものになっていた。
「あのときもそうだった。私が死にたいくらい絶望に支配されていた中学時代のときも。かずくんの優しさのおかげで私は潰れずに済んだ」
⭐️⭐️⭐️
読んでくださった方、ありがとうございます!
今回は短くて申し訳ありません。




