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お題シリーズ5

傷だらけの花

作者: リィズ・ブランディシュカ



 たくさんの美しいバラがある。


 そんな花壇で、一輪の花だけが傷だらけだった。


「どうしてこんなに傷だらけなのかしら、お花のお医者さんに診てもらわなくちゃ」


 なぜか、大勢でいると、その花は傷を受けてしまう。


 けれど一輪だけにすると、元気になる。


 そんなとても不思議な花。


「この花をよく育てるには、特別に目をかけてやるしかないでしょう」

「わかりましたお医者様」


 だから、花をそだてている人は、特にその花には注意していた。


 一輪だけの花では、さぞかしさみしいだろう。


 そう思って様々な治療を試してみたが、多くの花と一緒にすると、その花はいつも傷だらけになった。


 だから、その美しいバラは、かわいそうなことに一生一輪だった。





 けれど、バラはそれで満足だった。


 最愛の育て主の特別であれたのだから。


 この上なく幸福な一生だった。


「特別な愛情をえるためなら、この身に生えたとげで自分で自分を傷つけるわ」


 敵を傷つけるための武器を、自分に使って微笑んでいた。


 健康に生きることより、その花にとってそれは大切なことだったのだ。




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