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第41話 最恐!マジカルホーンテッドハウス 後編

「はぁ……」


 結論から言うと、とても怖かった。


「中、真っ暗ですね……」

「この特製ランプを持っていってください」

「周りは土魔法で、中には火魔法か……よぉできとりますね」

「では……いってらっしゃい」



「なんか、音が……」

「BGMも怖くてしてあるんか。凝っとるなぁ」

 バンッ!

「ひっ!」

「先生、こんなんまだ序の口ですよ?」

「だ、だって……!」



「きゃっ! な、なにっ!?」

「水魔法を霧状にしとるんかな」

「なんでそんなに冷静なんですか!?」

 ヒュウッ

「っ!」

「今度は風かぁ……水のおかげで冷えて、より不気味感が増すってところか」



 バンバンバンバン

「な、っ!? 手形!?」

「これも魔法ですね。ほんま考えられとりますわ」

「……あ、あのカナタくん……」

「はい?」

「……恥ずかしながら、足が竦んで……」

「ほな、おれの腕、掴んどいてください。少しは怖さが和らぐと思います」

「す、すみません……ありがとうございます……」

「……おれは役得ですけどね」


 そんな感じでなんとか迷路になっていたお化け屋敷のゴールまで辿り着いた。さまざまな仕掛け以外にも、お化けに扮した生徒が容赦なく驚かせてきたり魔法を駆使してたくさんの人形を操ったりと、この世のすべての怖さを詰め込んだかのような出し物だった。外の明かりが見えて安堵しながらゴールしたら、そこにいたキョンシ―とやらの格好をしたヒューゴくんにもびっくりしてしまった。彼は嬉しそうに笑った。


「はは! そこまで驚いてもらえるなんて光栄です!」

「も、もう……!」

「おーい、セルヴァン! ちょっといいか?」

「なにかあったか?」

「ここ、ちょっと……」


 おそらくセルヴァンくんと同じクラスの生徒が彼に話し掛けてきた。

 お化け屋敷の中で何か不備があったようで、そのことをセルヴァンくんに相談しているようだった。すぐに解決したらしく、セルヴァンくんが戻ってくる。


「大丈夫ですか?」

「はい。不測の事態も想定済みです」

「ふふ、さすがですね。クラスメイトからも頼られていましたね」

「……はい。彼らが僕の話をこんなに聞いてくれるとは思っていませんでした」

「セルヴァンくんのお話は面白いし、分かりやすいですからね」

「先生の、おかげです。……僕を受け入れてくれて、ありがとうございます」

「わたしは何もしてませんよ」


 実際、わたしがしたことといえば供給くらいだ。むしろわたしの方がセルヴァンくんからたくさんのことを教えてもらった。クラスメイトと少しずつでも交流できるようになったのは、変わろうと思った彼の意思があったからに他ならない。いつもとは違う柔らかい笑みを浮かべる彼に、こちらも幸せな気持ちになる。


「あのー、すんません、いいですか?」


 カナタくんが右手を小さく上げながらおずおずと口を開く。


「あ、カナタくん、すみません。蚊帳の外に置いてしまって……」

「いえいえ。ところで、ぼちぼちシフトなんでおれはもう戻るんですけど、先生も来ますか?」

「もうそんな時間でしたか!」

「先生がめっちゃ怖がって、ゆっくりでしたからね」

「すみません……では、行きましょうか」


 再度ヒューゴくんにとても怖かったけど楽しかった旨を伝えて、カナタくんと一緒に執事カフェが開かれている教室へと向かった。

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