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第17話 勉強会を開催しよう

「……勉強会、」

「へっ?」

「モーガイのために勉強会を開きましょう!」

「は? いらねえ」

「再試験になってもいいのか? たしか再試験は座学がメインになるはず」

「再試験になんかなるわけねえだろ! 試験なんからくしょ、」

「いいですね、それ!」

「あ!?」


 勉強会! 妙案だ!

 レオくんの話によると試験は実技が重視されるが、だからと言って座学を疎かにしていい理由にはならない。どんな授業をしているか知らないが、軍に入ることが前提の学校なら座学も実戦で必要なことを学んでいるに違いない。それならなおさら座学が必要になってくる。


「もしよろしければヒューゴくんもどうですか? 毎回学年1位とレオくんからお聞きしました」

「正直、僕になんのメリットもありませんが、グレース先生がそうおっしゃるなら……。座学は満点が当たり前ですから、厳しくいきますよ」

「っおい! なに勝手に進めて、」

「ということでいつにしましょうか?」

「もちろん、先生も参加しますよね……?」

「はい! いつもはヒューゴくんとふたりで勉強していたので、こうやってみんなでするの楽しみです! ……あ、わたしが勉強するわけじゃないのに……すみません、舞い上がってしまって……」


 勉強会の目的はケイレブくんの座学の点数をあげることだ。それなのに、つい嬉しくてはしゃいでしまった。恥ずかしくなって熱くなった両頬を両手で包む。レオくんが何か言ったような気がするけど、上手く聞き取れなかった。


「、えっと! それで、いつにしましょうか?」

「それなら、供給の仕事がない休みの日はどうですか? 勉強会に集中できると思いますが」

「いいですね!」


 試験勉強で供給に訪れる人が少ないとは言え、まったくいないわけではない。供給の仕事のたびに、みんなの元を離れてまた戻って、を繰り返していたら、集中したくてもできないだろう。ヒューゴくんの提案に賛成したところで、ケイレブくんがわたしの肩を掴んできた。ずっと文句を言っているのは聞こえていたが、彼だって再試験とやらにはなりたくないだろう。どうにかして勉強会に参加してもらわなければ……。そうだ!


「おい、オレの話聞けよ!」

「……ケイレブくん!」

「あっ!?」

「勉強会が終わったら実技の練習もしましょう!」

「は?」

「もちろん、供給付きです!」

「…………」


 賭け、だった。ケイレブくんが供給を気に入っていることには薄々気付いていた。それでもサボるほど勉強が嫌な彼がどちらを優先するか、正直分からなかったけど、この反応は好感触のような気がする……?


「どう、ですか?」

「……しかたねえからやってやる。別に、再試験が嫌なだけで……」

「ふふ、ありがとうございます!」


 勉強会に参加する理由が供給じゃないことをブツブツと何度も繰り返しているケイレブくんの手を取ってお礼を言うと、少し頬が染まったあと、手を大げさに振り払われる。口癖の「クソッ!」も添えて。


 その後、ヒューゴくんが勉強会の日時や場所などいろいろと細かく決めてくれた。メリットがないとは言っていたが、ヒューゴくんもそこそこ楽しみにしているようだ。彼の瞳があの時みたいにキラキラと輝いていたから。

 ……彼らには言えないが、一番楽しみにしているのはわたしかもしれない。

 ワクワクとした気持ちと共に、帰って行く彼らを見送り仕事を終わらせる。職員室に向かう足取りがふわふわとしているのは気のせいじゃないはず。

 他の先生方に何かいいことがあったのかと聞かれたから。

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