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第16話 うわっ……オレの成績、悪すぎ……?

 ――放課後。


「……」

「わっ、レオくん! どうかされましたか?」

「……なんでもない、です」


 ドアが開いて人の気配がするのに声が聞こえなかったので、書類に落としていた目線を上げるとレオくんがそこにいた。いつもは元気よく挨拶してくれるのに。


「あ、そういえば、お昼休みはどうしたんですか?」

「……一緒にいた、あの生徒……、」

「え? すみません、よく聞こえなかったので……」

「……なんでもないです! ただ少し先生の顔が見たいなぁと思っただけです!」

「……それならいいんですけど。供給しに来たのに帰っちゃってたらどうしようか、と思っていたんでよかったです」


 レオくんは何かを隠している。ような気がする。明らかにはぐらかした回答だったけど、本人がなんでもないって言っているならそれ以上踏み込みようがない。本当に困っているわけではないだろうし、レオくんから何か相談してくるまで今は静観していよう。

 供給室に沈黙が流れる。初めて供給をした日を思い出すような、短くも長くもない沈黙。


「そ、そういえば! 期末試験、もうすぐでしたっけ?」

「……そう、ですね」


 話題が変わってレオくんはどこかホッとしたような表情を見せる。


「レオくんは勉強とかするんですか?」

「授業の振り返りをするくらいであまりしないですね。実技の練習はいくらかしますが……」

「さすがレオくん! 優秀ですね」

「いや、全然……」


 そんな他愛ない話をしていたら供給室のドアが勢いよく開く。これはまた彼が来たかな。そちらに目を向けると、その彼がいた。


「ケイレブくん、今日も供給に来たんですね」

「……今日は、あんまり人、いねえんだな」

「え? ……あ、そういえばそうですね。今気付きました」


 いつもの放課後は、供給室の外にまで並ぶくらい生徒が訪れる。多少の増減はあるが、今日はたしかレオくんとケイレブくん以外には、両手で足りるほどしか来ていない。時計に目を遣るが、放課後になってから結構な時間が経っているからこれから人が大幅に増えることもないだろう。どうして少ないのだろう。


「……期末試験があるからだと思います。モーガイのようなひどい魔石酔いをする人はそういないから、勉強や練習に時間を充てて魔石補給で妥協してるんではないかと」

「……期末? ……あっ」

「? ケイレブくん?」


 何があったか聞こうとしたらまたドアが開く。そこにはヒューゴくんがいた。

 ヒューゴくんからはいろいろ教わっているが、彼の時間が空いた時に来てもらうようにしているため、特に約束をしているわけではない。こうやっていつも突然やってくる。だから、わたしが忙しい時には申し訳ないが勉強を断ったりもする。


「ヒューゴくん!」

「今日は供給ではない先生目当ての客が多いですね。そういえば、外から聞こえてしまいましたが、期末試験の話をしていましたね。……時に、ケイレブ・モーガイ、君は前回の試験、再試験ギリギリだったんじゃなかったかな」

「は!? なんでっ」

「ヒュ、ヒューゴくん? どうしてケイレブくんの成績を知っているんですか?」

「よく職員室に行くんですが、先生方が嘆いていました。実技は悪くないのに座学が壊滅的だと。授業をサボっているせいだ、とも言われていましたよ」

「……ケイレブくん、サボっていたんですか?」

「……どうせ軍に入るんだから、じっと座ってるより動いて身につけた方がいいだろうが……!」

「彼は魔力や身のこなしを過信しすぎて自滅するタイプのようですね」

「っこのメガネ……!」

「こ、こら、喧嘩は……!」


 飛びかかろうとするケイレブくんを抑え込もうとしたちょうどその時、しばらく黙っていたレオくんが急に口を開いた。

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