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第10.5話 急患!急患です! ケイレブ視点

 ここのところ、魔石酔いがひどかった。元々、不規則な生活をしていたからたまにひどくなる時があったけど、いつもよりも不快感が強いうえに、身体にまで影響が出ていた。供給してくれる教師だかがいるって教室で話してるヤツがいたけど……キ、キスするとかありえねえ。魔石酔いがどれだけひどくても絶対そんなところには行かねえし、供給も受けねえ。

 できる限り魔力を使わないで補給も最小限に抑えていたのに、教師の都合のせいで立て続けに実技の授業が行われた。しかも、その日の最後の授業は実戦形式ときた。調子が悪かろうが魔力が減っていようが、負けるなんてオレのプライドが許さねえ。

 魔力の量だけが取り柄のヤツに隙を突かれそうになって思わず魔法を多く放った。ただそれだけだった。だけど、限界を超える条件はそれまでに揃いすぎていた。目の前がふらつきながら帰りのHRまでなんとか耐えたものの、帰って休もうと立ち上がった瞬間、視界がブラックアウトした。

 供給室に運ぶって聞こえて抵抗しようとしたけど、全く身体が言うことを聞かなかった。あっという間に供給室に運ばれてベッドの上に降ろされる。わずかに見えた景色に女がいた。コイツが供給するのか。コイツと……するのか。ありえねえ。


「……めろ」

「へっ?」

「いら、ねぇ……、ませ、で、いい……」


 魔石酔いはすげえけど、コイツに供給されるくらいなら魔石でいい。だから、早く魔石を持ってこい。そう伝えたのに、あろうことか無理矢理やろうとしてきた。ありえねえ!


「っ! やめ、ろっ!」

「いっ!」


 手が反射的に動き女の頬を爪が掠める。オレは悪くねえ。コイツが、コイツが……。クソッ!

 オレの行動に業を煮やしたのか、動かないように徹底的に拘束してきた。教師がやっていいことかよ。このカナタとか言うヤツもあとで覚えてろよ。拘束から逃れようともがくけど全然力が入らなかった。徐々に女の顔が近づいてくる。やめろ。やめろ!

 女の唇が触れ身体に魔力が注がれる。


「っ! んん! ……!?」


 なんだ、なんだこれ。これが魔力? この混じり気ないのが魔力? ありえねえ。どれだけいい魔石を選んでもこんな純度だったことはない。なんの仕掛けがあるんだ?

 いろいろな感情がグルグルと脳内を駆け巡るけど、そんなの全部どうでもいいほど身体が心地いい。魔石酔いがないってこんな感じなのか。高い純度の魔力で身体が満たされた気持ちよさにしばらくの間、ベッドで呆然としていると女が話し掛けてきた。ハッとして慌ててベッドから降りると、まだ本調子ではなかったのか、頭がクラリとし倒れそうになったところを女に抱きかかえられる。ありえねえ。こんな、腕の細いヤツにオレが支えられるとか。


「っ! クソッ!」

「ベッド、今は使う人がいないので、少し横になって休んでから帰ったらどうですか? 供給があるので、うるさいかもしれませんが……」

「あんたの指図は受けねぇ」

「指図、ではないんですけどね……」

「あんたと一緒の空気吸いたくねぇ」

「そうですか……。でも、この状態では帰るのは大変ではないですか?」

「……教室で休む」

「それならここでもいいのでは、」

「うるせぇ!」


 ここに運ばれてくる前のように足元がふらついていたが、魔力を供給されたせいでなんとか身体は動きそうだった。できるだけ急いで供給室を出て行く。

 最悪な一日だった。強制的に行う最低教師に、今までしたことねえのにキスまでされて……。最低で最悪な変態教師。


「だけど、魔力は……っ! 違う! クソに変わりはねえ!」


 ……変わりはないけど、魔石酔いがなくてあの純度の魔力は魔石じゃそうそう出会えねえ。

 だからと言って、あんなところもう二度と行かねえ! 今日のことなんか忘れてさっさと家に帰るか。

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