表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

雨窓辺…

作者: すみ いちろ







長い長い時間の果て


終わらない私たちの旅路の果て


龍の尾っぽに巻かれて


私たちは宇宙の果てまで旅をする


連れて行ってほしい


銀河の果てに生きる長い時間


これで終わりじゃない


眠るように生きたまま


明日への扉を開ける


ひた隠しに目隠しされたまま


夜空を飛ぶ


いつかの流星のように落ちて


誰かとどこかに落ちるかなんて知らない


どこかに連れて行かれるかなんて知らない


沈黙したまま焼かれる


吐き出される龍の炎


誰しもが


言葉に出せば消えてしまうかも知れない炎


いつか飛び超えて燃えひろがる荒野


立ちのぼる雲の遥かその先にある天空


どこかひとりぼっちだった私だけの海


想い描いた小さな世界


あなたの中へとずっと旅立とうとしている雲


ふたり交わることのなかった龍の世界


ただ空を流れ落ちてゆく流星


どこまでも青く抜け落ちる空が


今日も黒く変色する夜


時間は


まるで新しい世界に羽根を広げた白い鳥


羽ばたこうとしている


いるはずのない…あなたの影


私が夜空に昇るころ


あなたは龍の背中にのって


ふたりがかけめぐる時間…


今日はじめてみた流れ星


いつかみた…あなたを探した夜


まだ…会ってすらないんだけど…


どこまでもこの夜空を流れ落ちる流星


一瞬で消えてゆく


ふたりの龍の雨降り窓辺


いつかみたガラスの上の雨粒みたい


ずっと幼い頃からみてた…


雨降り窓辺。


不思議だった…


ふたつの雨粒が混じり合うガラスの上の雨降り窓辺


なにも知らなかった窓辺に


お気に入りのオモチャならべて眺めてたあのころ…雨降り窓辺


ずっと追いかけていた流れ星のような時間が瞬いて


ふたりの龍が恋に落ちる…雨降り窓辺


稲光のように稲妻のように光って


ズドォーン!!!!!!…と。


漆黒に稲妻


夜空を割る…ふたつの閃光


…流れ落ちる


ふたりの龍が尾っぽをふる


子どものころの雨降り窓辺


雨粒ふたつ合わさって


天に光る誰かを探して


泣いて涙が雨になる


まだ誰かと会うかなんて知らない


不思議だった…


ふたつの雨粒が混じり合う…ガラスの上


お気に入りのオモチャならべてた…雨降り窓辺








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 幻想的で不思議と安心できるステキな詩作品でした〜!! 私も龍の背中に乗ってみたいです( *´艸`)
2021/11/18 12:42 退会済み
管理
[良い点] >龍の尾っぽに巻かれて  私たちは宇宙の果てまで旅をする いいですね、龍の尾っぽ。 その表現が素敵でよきですね。 素敵な作品をありがとうございました。
2021/11/18 11:30 退会済み
管理
[良い点] 雨粒ひっつけたり、泥道の流れを繋げたりせき止めたりするの好きでした。 子どもの頃はどちらかというと屋外で濡れていたほうかもしれない。元気だったんですね、きっと。 作者様はおうちの中から外を…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ