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剣と魔法は紙一重  作者: むらくも
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プロローグ

 現在、この世界は剣と魔法が混濁する世界になっている。

 主に東洋では剣術、西洋では魔法と別れており、少年少女達は幼い頃からその分野の訓練を受ける。そして、義務教育が終わる頃は皆それなりの実力を身につけるのだ。

 義務教育が終わると、そこからは自由である。音楽を学びたいのならその分野の学校へ、建築業を学びたいのならその分野の学校へと様々だ。

 その中には勿論、剣術や魔法を扱う学校は存在する。東洋に剣術学院が一校。そして、西洋にも同じように魔法学園が一校。

 この広い世界で、このような学校はわずか2つだけしか存在しない。その為、倍率は百倍を優に超えており、まず入学すること自体が難しい。よって、この2つの学校のどれかに入学できる時点で、世間では『エリート』と呼ばれるようになるのだ。

            ×××

 ここは西洋にある魔術学園。その正門前で、その地域には似合わない黒髪の少年が1人佇んでいた。

 彼は、この地より東の方向にある国、日本にある東洋剣術学園から交換学生としてやってきた。剣術、魔術両学園の間では、3年に1度交流事業が行われる。それぞれの学園から生徒代表を1名ずつ出し、交換。1年間をそこで過ごすのだ。つまり、今年は彼が剣術学院側代表の生徒という事である。


「ここが魔術学園か。会長から聞いてたけど、本当にアッチと違うんだな」


 感心したように言うその少年は、少しトゲトゲしている髪型にキリッとしている目。外見だけを見たらかなり怖い人だった。


「(…俺が東洋の奴だからか避けられてる気がする…)」


 周りには誰もいない。その学園の生徒達は、少年の髪色と目付きを見ると、目を逸らして速やかに校舎内に向かっていく。

「はぁ…」とため息をついたその時だった。目の前から、1人の少女がやってくる。


「ようこそ魔術学園へ。剣術学院の宮本君ですよね?」


 彼は思わず瞬きを忘れてしまった。

 綺麗な金髪に緑の瞳、とてもアッチでは見ることは出来ない色彩に加え、顔も恐ろしいくらい整っている。そんな素晴らしい女性が目の前に現れたんだ。見とれるなという方が無理な話だろう。


「宮本様?」



「…あ、すいません。そうです。剣術学園2年の宮本軋輝みやもとあつきです。今年1年、よろしくお願いします」


「私はこの学園で生徒会長を務めています。3年のライラ・フレイベルクです。こちらこそよろしくお願いします」


 完璧にお辞儀をするその姿に、少年はまたもや瞳が奪われる。


「会長からお話はよく聞いています。とても強い生徒会長と」


「私、彼には勝ったことがありませんけどね。そうですか、(はじめ)君が私を…。…ふふっ」


 嬉しそうに笑うライラを見て、軋輝は苦笑いをうかべる。すると、みるみる顔を赤くし、コホンと1つ咳払いをした。


「も、もうすぐ入学式が始まりますので、ついてきてください。案内します」


「…わかりました」


 そうして、剣士、宮本軋輝は彼女について行った。

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