荒野は殺し人は進む
荒野を進みながら水分を補給する……空に浮かぶ天体は熱を私に浴びさせるだけ浴びさせ悠々とその場に留まっている。それは私に虚偽を教えながら進んでいる。筒に砂をすくいながら、先程体へと含ませたものへと思いはせながら辺りを見渡すと人が倒れている。近寄ってみたが動く気配がない……体をまさぐってみる……どうやら私とは違う性別のようだ。これでは水分を出すことは容易ではないだろう。まさぐっている中ポケットに写真が入っていた……猫の写真のようだ。
「この世界を進むよりその方が良いだろう」
私は進む。例えそれが間違えであったとしても。