一人ぼっち
その日、雨は走って家に帰った。
部屋の中で雨は独り言を言っていた。
「なんであんなに太陽みたいに笑えるの・・・?
私もあんなふうになりた・・・駄目、なれないよ。」
次の日、朝になって雨が起きると、外は晴れていた。
「・・・晴れてる。
学校、行きたくないな・・・。
晴れてるし、つまんないし、友達だっていないし。
でも、行かなきゃね・・・。」
雨は、嫌々ながら制服に着替えて家をでた。
学校に行く道の途中、何人もの生徒が通るが、雨に話しかけてくる生徒はいなかった。
そしてやっと、学校についた。
すると、すぐに太陽がちかずいてきた。
「今日は晴れたね。
晴れの日って気持ちいいよなー?」
「私は、晴れの日より、雨が降ってる日のが好きだから。
別に、私の事おかしな奴って思ってもいいよ・・・。」
「そんな事思わないよ。
だって俺、雨の日も好きだからさ。
天気雨が降ればいいのにな。」
雨は首をかしげた。
「天・・・気雨?」
「天気雨ってのは、晴れてるのに雨が降る、おかしな天気の事。
まぁ天気雨なんて毎日毎日、降るわけじゃないから、運がよければ天気雨になるな。」
「虹も・・・出るの?」
「もちろん、虹も出る!!
だから俺は、天気雨になってほしいんだ。」
「なんで?」
「雨ちゃんに見せてあげたいなー、と思ってさ。」
雨は少し戸惑いながらも、はや歩きで歩き出した。
「あっ、ちょっと、はやいよー、雨ちゃーん!」
そして、雨はやっと学校についた。
教室に入っても、友達はいない。
それどころか嫌われてる始末。
雨はそんななか呟いた。
「また皆に避けられてる・・・。
別に、いいけど・・・。」
しかし、雨は寂しかった。
一人ぼっちが、怖くて怖くてたまらなかった。だから、学校にだって行きたくなかった。
その時、太陽が話しかけてきた。
「ねぇ雨ちゃん、一人で座ってないで遊ぼうよ!
皆でさ。
いいよねー!?皆ー!!」
「えー、空内いるのかよ。
じゃあ俺遊ばねー。」
皆の反応は雨を嫌っているのが分かる反応だった。
「太陽くん、いいよ。私、一人ぼっちでも・・・大丈夫だから・・・さ。」
すると一人の男子が言った。
「おい太陽ー!
空内大丈夫って言ってるんだし、遊ぼうぜー!!先に行ってるからはやく来いよー!」
「悪い!!
やっぱ俺遊ばねーや。」
雨は驚いた。
「・・・遊んでこないの?」
「んー?
だって、雨ちゃんと話してるのがなんとなく好きなんだよね。
俺と合うってゆーかさ。」
「でも私・・・暗いし。」
雨がそう言うと太陽は腹をかかえて笑いだした。
「あははははっ!!!!
なーに言ってんの雨ちゃん!
まぁ俺は可愛いと思うよ。」
雨はすごく焦った。
「か、からかわないで・・・。」
「あはは、ごめん、ごめん。」
雨は何故か、日がたつごとに太陽の笑顔を見ると、心が苦しくなるようになっていた。