どしゃ降り
今日は、雨が降ってた。
「あっ・・・降ってる。」
自分の部屋の窓に手をついて空を見ている少女の名は、【空内 雨】内気な高校1年生。
名前のとうり、雨が好き。
「よかった。
いい音だなぁ・・・。太陽なんかより、雨のが全然いいや。」
少女は、短くて黒い綺麗な髪をとかしながら、学校に行く準備をしはじめた。
「・・・行って来ます。」
少女は小さな声でそう言うと傘をさして、雨の中一人、歩きだした。
10分程で学校についた。
教室に入ると同時にチャイムが鳴った。
先生が入ってきた。
「今日は、転校生のイケメンくんが来てるぞ!どうぞ。」
皆がざわめく中、一人の男の子が教室に入ってきた。
「どーも。【空間 太陽】です。
よろしく。」
その少年は、本当にかっこよく、茶色い髪の毛がよく似合っていた。
「・・・私と正反対なタイプそうだな。」
雨がそう呟くと、太陽は雨の方向にきた。
「そんなのまだ分かんないじゃん?
もしかしたら、俺も君と同じかもしんないしさ?」
太陽は笑いながら雨に言った。
しかし、雨が言い返した。
「私と・・・同じじゃないよ。
あなたは。」
その瞬間、先生が入ってきた。
「話はそこまで。
ほら、席つけー。」
雨は太陽の方向を見ると、太陽は雨に、なんで?と訪ねるような顔をしている。
その顔を見て、雨は心の中で思った。
(君が、空に浮かぶ太陽みたいにキラキラわらうから・・・。
天気が雨の日は、もう晴れにはならないんだよ。
・・・私と君と同じで。私は、空に浮かぶ太陽みたいにキラキラ笑えないよ。)
雨はまた、学校の窓から空を見上げた。
やはり、雨が降っていた。
雨は小さな声で呟いた。
「ほら・・・。
私と君は似てない。
だって、空に浮かぶキラキラな太陽が、黒いモヤモヤした雨にはなれないから。
もちろん、モヤモヤした雨がキラキラな太陽になることも・・・。」
その後も、雨はやまずに降っていた。
そしてやっと、帰りの時間になって、傘をさした。
すると、後ろから太陽が走ってきた。
「ねー!!
雨ちゃーん!
さっきの質問の答え、教えて?」
「・・・絶対にやむ雨はないんだよ。
雨がやんで太陽が空に上がる事はないの。
私は、太陽くんみたいになれないから。」
「あるよ。
やむ雨はある!
太陽が出てきて、虹も出る。」
「虹・・・。」
「じゃあ俺が雨ちゃんの虹になってあげるよ。
雨が、太陽に変わる為の掛け橋にさ。」
その時、雨の心は少し揺れ動いた。
でも、本当に少しだけ。