第拾伍幕の拾陸
暗躍していたのはズウォートとムングだけじゃない。
廃研究所の屋上でプチッツァは、2体のネガボットに植え付け、爆発とともに飛び出た際に回収した羽根がそれぞれ黄色と緑に変色していることを確認していた。
それらを振袖のカケラと同じように自らの体内に入れると、体中から力があふれ出し普段であれば1対であるはずの羽が2対背中から生えてくる。新たに生えてきた羽は、それぞれ黄色と緑であった。
「あと少し、あと少しでこの世界があたしのものになる……!!」
新たな力を手に入れた、このことを知っているのは自分だけ、プチッツァはそう思っていた。だが現実はそうではなかった。
カルネロの実験室。そこでは、部屋の主が叫び声とジャラジャラという金属音をBGMに培養槽に捕らえたロンからデータを取り、着実に計画を進めていた。そこに、協力者が帰還する。
「ただいまー」
「調子はどうかしら」
チュイとボヴィーニの手には、金と銀の手のひらサイズの甲冑があった。二人はこれをカルネロの机に置く。
「上々だよ。そっちも素晴らしい成果を挙げたようだな。しかし……問題はこっちだ」
カルネロが首を斜め後ろに向け、二人もそちらに顔を向ける。そこには、両手足に鎖のついた拘束具をつけられたハンジールがあがいていた。
「気合と根性……気合と根性……」
お決まりのフレーズを口にしながら全身の筋肉に力を入れ自由を奪う邪魔者を強引に壊そうとするが、力を入れるたびに体に電撃が走り、電撃で気絶する。筋骨隆々な彼がこうまでなってしまう事態にチュイは恐れおののく。
「ハンジール、プチッツァ、君たちが振袖のカケラが持つ無限の力を引き出してくれ。我々のために……な」
一枚岩じゃない組織の行く末、そして今のところ一番目立ってるプチッツァの未来は?




