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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾伍幕「混沌」
241/249

第拾伍幕の拾伍

さくらが気を失い、それから。

「……さくら! さくら!!」

 部活対抗リレーの衣装として演劇部の手によって派手なドレスを着せられている蓮の声でスタジアムの医務室のベッドの上にいたさくらは目を覚ます。小町部の一同と桃香、そして百合がその傍らに見舞いに来ていた。さくらは蓮の女装姿があまりにもおかしくてつい笑ってしまい、その姿はいつもの彼女であるとみんなが安心していた。さくらが振袖小町であるとは知らない桃香と百合には瓢箪の中で体調を崩したと説明してあると蓮が耳打ちした。

 さくらはズウォートに敗北したところまでは記憶にあったのだが、その後のことは何も覚えていなかった。違うベッドを見ると片桐と麻生も寝かされており、二人はどこか虚ろで一連の事件のことを全く覚えていないという。どちらにしても、彼らの罪の重さは変わらないため校長が隠蔽さえしなければきちんと処罰を受けるだろうと桃香は語っていた。

 ネガボットが倒されたことで息を吹き返した八角は心臓マッサージをしていた男性体育教師に対してセクハラだと騒ぎ立てたが、個人的な思い込みによって生徒に濡れ衣を着せ、退学を迫るという明らかな越権行為や救助者に対して恩を仇で返す行為を見過ごさなかった教頭に肩を叩かれていた。彼女も何らかの処罰は免れないであろう。

 一時中断となった体育祭も無事に再開され、もはやクライマックス、次はお待ちかねの部活対抗リレーである。さくらはもともと補欠だったが大事を取ってレースには出ず、小町部はあおい、かりん、かんな、そして体育祭への参加が認められた天宮が走ることとなった。

 応援のためにスタンドに戻るさくら。そこに、淡路が声をかける。

「火宮さん、みんな、聞いて。私、ずっとクラスのために! って思ってやってたつもりになってずっと独りよがりでみんなを困らせてた。ごめんなさい!」

 精一杯の気持ちを携えて頭を下げる淡路を受け入れるさくらとクラスの仲間たち。まだ体育祭は終わっていない。クラス単位で参加する競技はもう全て終わってしまったが、応援はまだ終わっていない。2年B組は、声援を贈る相手はそれぞれ違えどグラウンドに立つ仲間の走りを見届けた。

 いよいよ始まる部活対抗リレー。運動部はユニフォーム、文化部もそれぞれの部活を象徴する衣服を着た部員たちの中で第1走者であるあおいはクラスTシャツのままグラウンドに立ち、クラウチングスタートの姿勢を取る。そして空砲の合図で走り出した。

 その一方で、校長は生徒たちの青春の一幕などには目もくれず振袖小町とオリエント・ゾディアック、ひいてはスキロスに恨みを募らせていた。

「(なぜあの男がまた……!? それよりも、私を振り回した振袖小町にあの男たち、絶対許さない……!!)」

平穏な学生生活の敵が片方とは和解、もう一人はインガオホー。しかし、校長は……。

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