表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾伍幕「混沌」
237/246

第拾伍幕の拾壱

新戦力だけに気を取られちゃいけません。旧式侮ると痛い目見るぞ。

 外から名前を呼ぶ大きな声が聞こえてくる。次の瞬間、小豆畑の体が浮かび上がり勢い良く飛ばされて、彼はそのまま開いていた穴の中に消えていく。それを見た校長や一部の生徒は、同じ方向に行けば外に出られると思い追いかけていったが小豆畑が飛ばされてすぐに穴が塞がり生徒たちは諦めて足を止める。しかし校長だけは走っていた勢いの強さと助かりたいという執念からか強行突破に成功する。おかげで呼び出した側の想定よりも穴が長く空いた隙を見逃さなかったエリーは、槍投げの要領で応援に使っていた旗を投げる。すると穴の途中で旗棒が引っ掛かり、どこが出入口になるのかの目印をつけることに成功する。文字通り針の穴を通すような見事なコントロールに、一同は拍手を送る。

 小豆畑と校長は瓢箪から飛び出し、グラウンドに着地する。ネガボットを指揮していたスキロスは目を見開き、校長のもとへと駆けよる。

「(今だ!)」

 彼がキュビズムネガボットから目を離したところをプチッツァは見逃さず、その背中に自分の抜いた羽を打ち込む。その直後、キュビズムネガボットの背中からごつごつとした醜い翼が生えてくる。それと同時に手首のネガボットは指から糸を出し、小豆畑の両手足に絡みつかせる。彼は身体を糸に拘束されて自由を奪われ、ネガボットが糸を動かした通りに体が動いてクラウチングスタートの体勢を取らされる。そして、そのまま校長のいる方向へと走り始めた。

 京田とムングは瓢箪の口から旗棒が飛び出してきたことに驚きながらも、想定していた人物を呼び出せたムングはほくそ笑んでいた。が、逆の結果になった京田にすぐつかみかかられる。

「おい、校長を出せなんて俺は一言も言ってないぞ!」

「じゃあ、もしかしたら中に最初からいなかったのかもね」

 チュイの発言を耳にしてから、ムングはグラウンドへ降り立つ。彼の答えに、京田はグラウンドに顔を向ける。ここまで付きまとっていた彼の疑念が確信へと変わったその瞬間であった。

 京田がムングにつかみかかったことで瓢箪は彼の手を離れ、スタンドを転がっていく。中には、悟りを開いたのか開き直るものまで現れた。

「集団自殺みたいなもんだ、生きてたってろくなことねえんだから。そうだろ? そうだよな!?」

 座り込みながら小菅が自分の足に目を向けながら声を荒げる。

「ぶはは、俺もこれまでの人生振り返ってみてもろくなことなかったし、それもいいかもな!」

「みんな諦めるのはやめようぜ、振袖小町がダメなのはしょうがなくてもさぁ、まだ終わってはいないんだぜ?」

 下品な笑い声を出しながら破滅を受け入れていたのはや、石神の希望は捨てていないもののどこか引っかかる言い方に蓮とかんなは嫌悪感を示す。さすがに彼らの言い草を見過ごせなかった二人だが、その直後意外な声が上がっていった。

助けるべき対象にクズがいますねぇ。こういうのがいると話がすっきりしないけど……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ