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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾伍幕「混沌」
236/247

第拾伍幕の拾

強敵とネガボット同時襲来、前門の虎後門の狼!

 振袖小町がズウォートとムングの猛攻に苦戦する中、2体のネガボットが幹部とともにグラウンドに現れる。

「真打は常に後からやってくるものです」

「今日が仲良しごっこ、最期の日ってね」

 リングに新たな選手の入場。プチッツァが連れてきたのはイナリが目撃した巨大な1対の手首を模したネガボットだったが、先にグラウンドで戦っていた一同とプチッツァはスキロスが連れたネガボットの醜悪な見た目に生理的嫌悪感を示し、スキロスは一笑に付す。

「皆さん不勉強ですね、これはキュビズムです!」

 どや顔で言い放つスキロス。しかし、キュビズムと言っただけではまわりはいまいちピンとこない様子であった。唯一あおいだけは納得したかのように小さく何度か首を縦に振り、さくらたちに説明を始めた。

 校内の人々の大半が人質として入れられている瓢箪を手にしながら遠くから戦いを観察していた京田は、あおいが知識を披露しているところを見て既視感と不快感を覚える。その隣にやってきたチュイは彼女の正体を知る者として、この上なく面白くないといった表情を見せていた彼には利用価値があると評価していた。

「中学の社会でやったピカソのやつみたいな悲劇はもうさせない!!」

 あおいの説明を受けて凄惨な戦争の悲劇を描いた絵画を思い出したさくらは、自分たちを縛っていた禍々しいオーラを放っている縄を炎で燃やし、振袖小町は自由を取り戻す。

「そろそろだな……ネガボット、そっちは任せた!」

「……こっちにもやることがある」

 それぞれ別方向に走り去るズウォートとムング。組織内では後輩にあたる彼らに命令された苛立ちを見せつつも、プチッツァは自分の計画の歯車がうまく回り出していることに口元が小さく上がっていた。

「私はズウォートを追う! みんなはあいつらをお願い!」

 さくらはズウォートの走り去った方向へ足を向け、全速力で駆け抜けていった。

 容疑が晴れた天宮と瑞江は、増田からの電話で停学の取り消しと体育祭への出場許可が出されたことを知り、戦場になっていることなど知らずに体育祭が行われているグラジオラス陸上競技場に向かう。

 大きな手首で掴んで来ようとする手首のネガボットと、変幻自在な動きでかく乱し、攻撃を回避しつつ迫るキュビズムのネガボット。両方に対する効果的な戦い方を、まだ振袖小町は見つけられていなかった。

 ムングは京田とチュイがいる観客席の最上段で合流する。

「中にいる奴らと振袖小町への見せしめにしてやりたい奴がいる。外に出すからそれを渡せ」

 京田はそれが誰なのか聞いてから、承諾する条件を提示してからムングの要求をのみ瓢箪を渡す。その仲介人となったチュイは彼の条件が成立しないことを知っていたが、あえて何も言わずに交渉を見守っていた。

 瓢箪の中ではなおもパニックは続いており、彼らが瓢箪を手渡ししたことで起きた振動でさらなる恐怖にさらされる。

 足元が不安定なうえに助けに来たはずの振袖小町が敵に苦戦している光景が上空をスクリーンにして生中継される。絶望のあまり平常心でいられなくなった生徒もどんどん増えていった。

「もう嫌ー!!」

「俺たち、ここでみんな死んじゃうんだ……」

「何もかも終わりだ……」

 悲愴感が広がっていく空間であっても、蓮とかんなは振袖小町を信じて淀んだ空気を振り払うかのように声を出す。届いた者は少数であるが存在していた。

「出てこい! 小豆畑洋夫!! 水崎あおい!!」

恐怖の坩堝からあえて出させる、その目的は?

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