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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾参幕「暗躍」
211/249

第拾参幕の拾肆

チームワークでエースをねらえ!

 物陰では、アイリスに促され逃げたはずの片桐がこっそり振袖小町の様子を窺っていた。その傍らに、二つの影が現れる。

 ひっきりなしに飛んでくるサーブとスマッシュが緩急となり、振袖小町に襲いかかる。校庭を駆けるあおいと防御壁を逐一作らなければならないアイリスの負担も考慮すると、さくらとかりんに残された猶予は少なかった。

 だがそんなことはネガボットには関係のないこと、巨大テニスボールによるサーブとスマッシュの応酬はまだ続く。ネガボットは左手からボールを出し、膝を曲げ、ラケットで打つ。

 サーブとスマッシュのどちらが来るのかをネガボットの動きの違いで見切ったさくらとかりんは、軌道を読み落下点に入る。

 ……と見せかけてさくらは止まらずに走り続け、かりんは落下点から迅弓・萌葱でボールに向けて矢を放ち、迎撃して破壊する。

「やっぱりね!」

「スマッシュの時の方が深く膝が曲がってる!」

 リレーの練習中に見た動画がヒントとなったことと、しゃがんだことで視点が低くなりネガボットの脚に着目できたことでボールへの対応が可能となった。なおもネガボットはボールを放つも、その間にさくらはサーブがワンバウンドする場所の手前に回り込み、ネガボットが動揺している隙に斬撃してダメージを与える。

 蓮は校舎の裏でぐったりと倒れている稲田を発見、薄々感づいてはいたが彼がいると都合の悪い人間が校内にいることを確信する。

 アイリスがネガボットのラケットに向けて豪拳・山吹を放ちガットに必要のない風穴を空けることに成功。もうこれでテニスボールの雨は止んだ。

「今だ!」

 イナリの声に、一斉に頷く振袖小町。同時に華扇・彩を出してネガボットを囲んで舞う。

「「「「邪悪なるものよ、幸運に散華せよ!」」」」

「百!」

「華!」

「繚!」

「乱!」

 扇が閉じられ、ネガボットは爆発四散。テニスボールの直撃で破壊が著しかった学校は元に戻っていく。

「勝ったケロ」

「……なんでカエル?」

「またしても……覚えてなさい!!」

 捨て台詞を吐いて退散するボヴィーニ。稲田は目を覚ますと目の前に蓮がいたことに気づき、彼はその勢いで小町部に依頼をする。その際に蓮は駒場から聞いた情報が事実なのか彼に問いかけると、小さく頷いた。

悩めるテニスの貴公子に迫る悪とは!?

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