表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾参幕「暗躍」
205/246

第拾参幕の捌

ルールとマナーを守って楽しく格ゲーしよう!

 対戦相手が開始してすぐに斜め下にレバーを入れる。すると彼の使用する軍人のような姿をしたキャラクター「マルベック」はステージでしゃがみ始め、そのまま不動の体制を貫き衝撃波を連発した。この行動に、怪訝の目が野次、そしてブーイングへと変化していく。

「ここで待ちベックは禁止だぞ!」

「これは対人戦だぞー!」

 不穏な雰囲気から出てきた単語に疑問が起こり、さくらは熟練者に質問する。

「かりんちゃん、待ちベックって何?」

「今しゃがんでるでしょ? あれのこと。ベックってのはキャラの通称ね。マルベックで、ベック」

 そう言ってかりんは、筐体近くに貼ってあった張り紙を指差す。そこにははっきりと「当店ローカルルール。待ちベック禁止」と大きく書かれてあった。

「しゃがんでるのがなんで禁止なの?」

「見てればわかるよ」

 しゃがんでいる相手に対し智彦は冷静に相手に近づき攻撃を仕掛けるが、しゃがんだ体制からそのままキックを出してカウンターを繰り出し追い払われる。攻め方を変えて上から飛び込み攻撃を仕掛けると、今度はサマーソルトキックが飛んできた。

「あれじゃ攻撃できないじゃん! ずるくない!? ……って、実況忘れてた……水崎さん、この状況どう打破していくと思いますか?」

「智彦くんは一切諦めてない。ここにいる私たちにできるのは応援することと、信じること」

 待ちの体勢を崩し、自分の攻撃を当てるために攻撃をし続ける智彦。フェアに勝つために一生懸命な目には筐体の中の画面、耳にはゲーム内のBGMのみが入ってきており外野のブーイングなど一切聞こえていなかった。

 一方で彼と筐体越しに向かい合っている対戦相手の耳にも、360度から浴びせられる自分に対してのブーイングは耳に入っていなかった。筐体の液晶には彼の冷淡な目からの視線が飛び込んでいた。

 待ちの体勢を崩し攻撃を食らわせることはできたが、ラウンド1はそのまま対戦相手が制す結果となり智彦は後がなくなった。店内ルールなど知ったことではないと言わんばかりのプレイスタイルに、智彦は怒りを噛み殺してラウンド2に臨んだ。

 アイリスは助っ人として参加することとなった軽音楽部とともに、交友を深めるためにファーストフード店に来ていた。足元にギターやベースのケースを置いたテーブル席ではすみれたちとともに注文をするため並んでいる部長の片桐学を待っていた。

「先輩終わったみたい!」

 片桐と、軽音楽部の副部長で彼の恋人でもある代田舞衣子の二人がカバンについた互いのイニシャルを模したチャームを揺らしながら人数分のフライドポテトとナゲットが乗ったトレーを持って軽音楽部が座っている席に戻ってくる。それと同時に、彼らの席の近くに一人の子供がやってきて彼のギターケースを触ろうとした。

 子どもの母親が直前で子供の手を取って未遂に終わる。母親は頭を下げ、子どもの頭を下げさせて謝罪させてから子供を連れて席に戻っていく。

 気にしてない素振りを見せる片桐だったが、アイリスには彼が子供に対して恨めしいまなざしを送っているように見えた。しかし気のせいだと思い軽音楽部員とともにフライドポテトとナゲットを食べながら歓談を楽しんだ。

格ゲーの元ネタはタイトルがストレートファイターな時点でわかると思いますがキャラ名は武道ということでブドウの品種からです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ