表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾参幕「暗躍」
202/246

第拾参幕の伍

くじ引きの結果は……!?

 選考会は2年連続で助っ人の目玉となった蓮のくじ引きに白熱していた。泣いても笑ってもここで当たりを引いた部活が蓮とともに走ることができるからで、それによって順位も大きく変動するからだ。

「開けてください」

 司会の声とともにくじを開けたとほぼ同時に、さくらが両手を挙げる。あおいとかりんは喜びで抱き合う。しかし……。

「ちょっと」

 威風堂々と席に戻ろうとしたさくらに、演劇部部長で3年D組の駒場芹香が声をかける。

「当てたのうちなんだけど」

 そう言って駒場は内側に「当たり」と書かれたくじをさくらに見せる。さくらは自分が引いたくじを改めて見直すと、内側は白紙だった。一気にさくらは赤面し、確認のためくるみがマイクを片手に二人のもとに駆け寄ると交渉権は演劇部が獲得したと訂正がされ、さくらは失笑を背にしてさっきまでとは完全に真逆で小さくなって席に戻っていった。それとは対照に駒場はほっと胸をなでおろしながら自席に戻った。

「私の占いが……やっと……外れる……」

 かりんは力尽き机に突っ伏す。あおいは戻ってきたさくらに肩をすくめ、大慌てで誰を助っ人にするかリストとにらめっこする。

 小町部と同じく蓮の競合に敗れた写真部、ダンス部、稲田の競合に敗れた合唱部の部長は既にハズレの指名選手を決めて湯島に提出していた。

「あおい、決まった?」

「もうめぼしい人がほとんど取られちゃってて……さくら!?」

 助っ人志願者のリストから見覚えのある名前を見つけたさくらは提出用の用紙とペンをあおいから取り上げ、用紙にその名前を書いて提出した。あおいはまた重複してくじを外すことよりも、独断行動でこれ以上彼女が恥をかいて小町部、ひいてはさくらが奇異の目で見られる事態を心配するあまり合唱部が誰を指名していたのか聞き逃してしまう。

「選択希望生徒。小町部。渋谷誠治くん。2年H組」

 さくらは馴染みのない同年代の異性を苦手とするあおいに配慮し、彼女に片思いしている軟式野球部員であり顔見知りの誠治を指名した。軟式野球部は3年生でリレーのメンバーを固めており、自分も走りたいと助っ人に志願していたのだ。

 写真部とダンス部の指名は合唱部とも小町部とも重複せず、これで小町部を除く文化部の助っ人は決定。小町部は二人目の助っ人を選ぶ段階に入る。

 リストに目を通すさくらとあおいだが、残っている助っ人候補に二人の知り合いは皆無なうえ、どの生徒も決め手に欠け困り果てていた。そこにかりんが顔を出す。

「あ、うちのクラスの男子いるじゃん。しかも足速いよ」

「ほんと!?」

 思わず身を乗り出すさくらに、かりんは穏やかに返答する。

「こんなことで嘘ついてどうするのさ」

「じゃあ決まりだね! 出してくる!」

 かりんからの意見を採用し、名前を書いて用紙を湯島に提出する。そしてくるみは本日最後の読み上げを開始する。

「選択希望生徒。小町部。天宮智彦くん。2年F組」

 天宮智彦。彼の名前が読み上げられると、稲田の時に勝るとも劣らないどよめきが起こり指名した小町部側もあたふたする。

 しかし、指名の取り消しは不可能なためくるみと湯島による閉会の挨拶が行われこれにて幕を閉じた。

もうかなり前になるくじ引きの勘違い、いいネタになってくれました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ