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ワンピース

「お姉ちゃん、服がいっぱいあるよー」

 ソルラが部屋の扉から顔を出し、私に手招きをします。

 屋敷に入ってから、しばらくの時間が経ったでしょうか。屋敷はなかなか広く、私とソルラは手分けをして探索をしていました。

 それにしても寒いですね、と私は思って、すぐ後に納得しました。

 当然です、玄関の扉は破壊されたままなので、外の空気がものすごい勢いで入ってくるのですから。

 ソルラが手招きする部屋へ足を踏み入れると、引き出しのいっぱいついた棚が壁にどんと置かれており(箪笥というそうですね)、その横にもハンガーに掛かったTシャツやジーパンなどが沢山並んでいます。

「当分着替えには困らなさそうですね」

「うん、いろんな服が着れるよ!楽しみだな!」

 私達の家にも沢山の服はあったのですが、そのどれもがあまりおしゃれな服ではなく、


・火口に棲むドラゴンの皮で作った服(ドラゴンの吐息を浴びても燃えずに済みます)

・オークが攫ってきた女の子の洋服を継ぎ接ぎして作った服(捕まったオークから押収された物品だと父は言っていました)

・ジョニーフィッシュ(海に棲む細長い魚のことです)の鱗で作ったキラキラ光る服(ヒレ付き)


 どれもこれもロクな服はありませんでした。ええ、皆お父様が買ってきたものです。

 特にオークが攫ってきた女の子の洋服を継ぎ接ぎして作った服というのがまた、裁縫好きなオークが裁縫の上手な女の子を攫って、その子の衣服で作ったということなのですが、まあ酷いもので。

 オークの不器用さに見かねて攫ってきた女の子が、自ら協力して裁縫をしているところを立ち入られた、とのことですが、確かにこれは見かねるわ、と言わんばかりの出来でした。

 最近になって、人間界で言うところのワンピースを買ってきたところ、ソルラが可愛い!欲しい!とねだるので、ソルラの誕生日プレゼント代わりに買ってあげました。今私達が着ている服が、そのワンピースです。私が紫、ソルラはピンク色。

 人間界に持ち込む荷物はなるべく少なく(私達の世界のものが、人間界にどんな影響を与えるか分かりませんから)とお父様からは言われていましたが、ソルラはこのワンピースだけは着ていくんだ!と言っていました。よほどのお気に入りらしく、そう言ってもらえると私も嬉しいですね。

 まあ、そのお気に入りのワンピースもずっと着ていれば汚れてしまいますし、換えの服がある、というのはとても嬉しいことです。

「さあ、ソルラ。屋敷の探索はその辺にして、そろそろご飯にしましょう。いろいろ話し合わなければならない事もありますし」

 私の声に箪笥を漁っていたソルラは、

「お姉ちゃん、このモンシンさんのお家、色違いのお洋服がいっぱいあるよ!もしかしたら私達みたいな子が住んでいたのかも!」  

 と言ったのでした。

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