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CROSS ROAD   作者: ヒカリ
1/3

機会に生じた不具合

はじめまして、ヒカリです

皆さんに感情移入していただけるよう頑張ります


16歳春、花のJK…の一歩手前。

入学よりも一足先に私のバイト人生は幕を開けた。

「いい高校に入ってこの塾でバイトすること」

かつて指導者である祖母と交わした約束。

守れてよかった。

丸つけの仕事って簡単だっていうし、バイト金も普通にもらえるのでいい感じの仕事。

早いうちに慣れておきたい。


4月3日、午後2時。

ここでは私は指導者の孫。

変に騒いでる小学生たちは無視して、とにかく機械のように丸をつける。100、100、100、1… ふぅ… 丸つけってこんなに疲れるのか。

何気なく顔を上げると斜め前にいるスタッフは楽しそうに子供にかけ算を教えている。

“やたら教えるな”

これは祖母がスタッフにむけた愚痴でよく言ってた言葉。

あの先生は後で怒られるんだろうなぁ。なんて考えながらも自分の作業に没頭する。

古株の先生の隣で丸つけしているからか目立たず、「新しい先生?」と聞きにくる子も4、5人しか居なかった。

そんな子供たちにも「うん、そうだよ、これからよろしくね。」と可もなく不可もなさすぎる答えで対応する。

ーーー私、機械みたい。



真面目な機械モードは、あまり長続きしなかった。

まず、数学のスタッフ多くて、機械モードになるほど丸つけするプリントが回ってこない。

それに、私が丸つけする席は、問題児が集まって来ることが多くて多少は喋らざるを得ない。

もともと理想のスタッフとか演じきれるほど器用じゃなくて、不良体質な私はすぐに騒がしい子供と同化する騒がしいスタッフになってしまった。

時々これじゃやばいと思って思い出したように注意しても、うるさい子供に限って口が達者で、「今一緒に喋ってたじゃん」とか「えー、今から頑張ろうと思ってたのにぃー、やる気無くしたぁー」とか、とにかく口ごたえ、口ごたえ、口ごたえ。

特にやばいのは3、4年生。

5、6年の子は別に私を巻き込もうとしないから、私が手を焼いてるのは専らこいつらなんだ。

騒がしいスタッフ。機械のように動くよりはまだマシといえども、やっぱりつまらない。

そんな時、私にとって大事な大事な出会いがあった。

その子は、ちょっといたずらっぽい笑みを浮かべて、誰よりも反抗的で。

でも誰よりも大人っぽくて、そして誰よりも格好良かった。

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