見るがいい!これが俺のチートスキル!!
前回のあらすじ!!
なんでも作れる素敵なスキル?
以上!!
「なぁ、このスキル自慢大会ってなんなんだ?」
とりあえずそこにいた見物人に聞いてみた。
「なんだ、あんた知らないのかい? これはこの町の名物みたいなもんだよ」
名物、ねぇ……
「自分の自慢のスキルを審査員の前で披露するんだ。 んで最も得点の高い奴が優勝ってわけ。」
極めてわかりやすいな。
俺のスキル、もとい創造スキルを披露すれば楽に優勝できるだろうな。
だってあんなチートスキルそうそうあっていいもんじゃないしな。
でも出ない。勿体ぶりたいし、第一メリットがない。
「今年の優勝賞品は金貨3枚だってよ」
受付どこだろう。
というわけで飛び入りで参加を決めた。
今俺の前のヤツがスキル披露してるな……
――俺のスキルは火炎魔法B+! 100mの範囲ならなんだって燃やせるぜ!!
「おい聞いたか、B+だってよ」「すごいスキルだな」「こりゃ優勝はあいつだなぁ」
なるほど、B+で優勝圏内なんだな。
じゃあ余裕だろ。 あれ、創造のスキルランクっていくつだっけ?
確認してみ「おい、次のヤツ、出番だぞ!!」現実は非常である。
こうして立つと、結構人がいるなぁ。
とりあえずさっくり創造して金貨もらうか。
「見るがいい! これが俺のスキル「創造」だ!!」
イメージするのは剣。
いや、もっと正確に。
イメージするのは刀。
鋼で作られた、片刃の剣。
幼少期に手に取り、爺さんにド叱られたあの剣。
イメージ…… 完了!!
閉じていた目を開けると、懐かしい刀が手に取られていた。
あの世界で過ごしていた時、居間に飾られていた真剣。
最後に見たときからそんなに時間は経ってないはずなのに、ひどく懐かしい……
そんな気分になっていたら、観客席どころか、審査員席すらざわついていた。
やっぱりこのスキル、かなり特別なスキルなんだろうな。
それか俺が刀作り出したからみんな警戒してるとか。
そんな想像しながら審査員の反応を待っている俺に、一人の男が駆け寄り、声をかけた。
「貴様、いろいろと聞きたいことがある。 こちらまで来てもらおうか!!」
俺は一目散に逃げ出した。