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シュロの店の星の数 その2

 セリカは自分でも思った事を口にした。


 「それで今回は、シュロのお店を査定に来たというワケね。


 じゃあ、早速取り掛かってもらいましょうか?」


 しかし、そのイインチョは首を振る。


 「いえ数ヶ月前に査定の方はもう済ませてあります」


 淡々と話を進め、いつの間にやら彼女は目配せをしたのか、部下らしき他の黒づくめが紙を自分に取り出した。


 「世に言う接客業における審査とはマスゲームを見に行くという事を指しません自然な状況を見る事が審査は正確さがあり大事な事でございます選抜された審査員を極秘裏に潜入させ店内の内装接客態度などの査定を見させてもらいました」


 つまり、自分たちの気付かない内に審査員を侵入させて、平等な審査は済ませたという事らしい。


 だが今までの日常に、全然気付かなかったので驚くのは無理も無かったので。


 「まるでスパイですね」


 「審査とはそういうモノですよ」


 そして、査定結果を目にしたが、評価を指すのが…。


 「星が二つ。


 それって、どういう事なのブラド?」


 「評価の点数ですね。


 確か地上では店舗の評価を星で示すそうです。


 三つで、最高評価ですので…」


 「つまり、最高の一歩手前ってワケね。


 中々の評価なのねシュロの店って、やるじゃない」


 これには自分も嬉しくなるが…。


 「いえ五段階評価で星二つです」


 またもやデコを光らせた、イインチョの一言に『ガクッ』と崩れてしまう。 


 これにはセリカも怒りを見せ、また店が崩壊するのかとブラド達は避難をしようとしたが、


 「やっぱり、思い当たる節は結構ありますからね…」


 この評価には自分は、少し納得出来ていた。


 逆に冷静な自分の態度に、セリカは魔力を高めるのをやめ、どういう事か聞いて来た。


 「イインチョさん、この店が『安売り』をしている事が、原因の多くなんですか?」


 「その通りでございますねシュロ様あまり人様の技術をとやかく言うつもりはございませんですが貴方のお店は他のワナの店より劣っておりますそのための安売りをして敷居を下げたのが一つの原因と言えるでしょう」


 「つまりシュロの魔力が低いのが原因で出来た劣化商品の大量安売りが原因と言いたいのねでもそれがシュロの店の良い所だと周囲も言っているわよ」 


 「セリカさん、話し方が移ってますよ。


 まあ、それが原因…なんですよ…。


 当時、セリカさんがカイリさんと喧嘩して、すぐさま家屋を吹き飛ばしたから知らないのも無理も無いですが…」

 

 そして自分は一旦、外に出て、とある張り紙をセリカに見せた。


 『ゾンビ、お断り』


 実はこの店、客を選んで商売をしていた。


 「その敷居を下げた所為か、彼等ゾンビがやって来るようになった事がありましてね。


 彼らを悪口を言いたくはありませんが、あの独特の臭いで、その日の内に経営不可になった事があったのですよ」


 しかし、セリカは星二つという低評価に、


 「臭いくらい、芳香剤で何とかしなさい」


 納得できないのだろう。


 「相変わらず、無理を言いますね。


 それこそ知らない人の意見ですよ。


 質問の内容に『目玉が転がってませんでしたか?』とか言われてみなさいよ。


 こちらとしては、客だから探さなければならないのですよ。


 逆に見つからなかったから、幸いですが、その時の他のモンスターの同情的な目線、耐えれませんよ」


 「そ、それは、ご苦労だったわね…」


 さすがにセリカも、想像できたのだろう。


 素直に謝る。


 「リアルなクレーマー対応の実態を見ているような気がしますね」


 そして『キラリ』と、デコが光るイインチョであった。


 「実はシュロ様今回はお願いがあって来たのです」

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