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第二十一話 今日はブラド抜き その2

 今度はブーメランを興味深そうに見たのはダロタである。


 そして、それを手にした瞬間…。


 「おっ、新種のオーク発見だ」


 カイリはケラケラと笑って、へたくそに投げているダロタに『手首使って投げろ』とレクチャーしているとセリカは今度はどこから取り出して来たのやらまた何やら取り出してきた。


 「これもブーメランの一種?」


 「これは『(けん)』と呼ばれるモノらしくて、さっきのブーメランのように投げて使う時もあるそうですが、近接戦闘に特化した武器だそうですよ?」


 そう言うとセリカは『ふ~ん』とその武器を眺め、もう一つ取り出してクルクルと構えて聞いてきた。


 「似合うかしら?」


 両手に圏を構えたセリカのその構えは、自分でもカイリとは別の優雅さと強さを持つのが解るが、正直に思った…。


 「似合わないですね」


 「あら、私に向かってそういう事を言うのかしら?」


 「そう嫌悪しないでください。


 多分、貸してくれたら、言った意味がわかると思いますよ」


 そう言って、シュロはセリカから、その武器を両手に受け取りセリカのように優雅に構える。


 するとセリカは笑い出した。


 「似合わないわね…」


 「好みはあると思うのですがね…」


 そう言って使った事がないながらに『ヒュン、ヒュン』と振り回すが、セリカは普通に近寄って間合いに入って…。


 普通に抜き取るのだから、男として格好がつかないモノだが、セリカはダロタが投げてブーメランを見ていった。


 「ねえ、シュロ、これに磁石をつけて戻るようにみたら、これなら重みもありそうだし『戻る』という問題を解決しないかしら?」


 「『やいばのブーメラン理論』ですね」


 「何それ、そんな理論聞いたことないわよ、説明しなさい」


 「前に店にやってきたモンスターから聞いた話なんですが、やいばのブーメランを投げた時、取る時に自分も斬れてしまうっていう事ですよ。


 モンスターなら取れるって、人間の勝手な想像のせいで手にキズを負う事が耐えなかったと良く愚痴を言ってましたよ」


 「あら、情けない話ね。


 取れないなら、自分に返ってくる途中で『止めて』しまえばいいじゃない」


 「中には魔法を唱えられないモンスターもいるのですから、セリカさんと規格を一緒にしないでください。


 でも、セリカさんなら、ぴったりな武器なのかもしれませんね」


 「悪い冗談を言わないでほしいわね。


 私に挑みかかってくる人なんて、よほどの身の程知らずか、あそこでオークと遊んでいる魔王くらいなモノよ。


 カイリ(アレ)なら当たり前だけど、身の程知らずでも『灼熱』を要するのは普通よ。


 この程度の武器なら使う前に解けるわよ。


 シュロはどう、これをワナに使ってみない。ブーメランのワナなんてまれなんだから、面白い話思うけど?」


 「そう言われて見ると、ブーメランを使うワナなんて聞いたことがありませんでしたね」 


 少しばかり興味が沸いたのがわかったのか、セリカは笑みをこぼしていた。

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