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第十七話 営業時間終わりの三人

 ここは、もう何件目になったであろうかシュロの『ワナ屋』、もう営業時間も過ぎ、店内は『新製品、考案会議』とホワイトボードに大きく書いており、ブラドとダロタとで会議が行われていた。


 そして、ブラドがどのようなワナが作れるのか本を読んでいると、良い案を思いついたようにシュロに見せながら答えた。


 「なあ、シュロ、この踏むとスキップ出来ない、この『スタッフロールの罠』なんてのはどうだ?」


 「どんなワナですか?」


 「うむ、本を読む限りだと…。


 踏むとその通りスタッフロールが流れ、スキップ出来ない事でプレイヤーを疲弊させます。


 なお、このスタッフロールは本エンディングにも適用されるので、プレイヤーを更なる疲労感を襲わせる事が出来るそうだ」


 「ブラドさん、冒険者を攻撃しないと駄目でしょう」


 「そうか、さすがにクソゲーになるのは避けたいな。じゃあ、次はダロタだな」


 そう言って、ワケのわからない会話を織り交ぜつつ、今度はダロタに本を手渡すが、このオークもオークらしく、変なモノを引き当てる。


 「足を踏み入れると大量の敵が現れるモンスターハウスがあるなら、こんなのはどうだか?」


 「ダロタ、これはただの牢屋じゃないですか?」


 「その中に、レベルの違うモンスターを入れておくだべ。


 当然攻撃する事もされる事がないだが、冒険者がその階のどこかにあるスイッチを踏むと牢屋から解き放たれて、そのモンスターに追っかけまわされるという罠はどうだべ?」


 「なるほど、これなら着実に歩みを進めている冒険者の足並みを崩せるというモノだな。


 しかし、ダロタ、それには少し問題があるな。


 まず、レベルの違うモンスターとあるが、誰に頼むつもりだ?」


 考え込む三人の中に、ある二人の魔王の顔が思い浮かんだが…。


 「…それはないわな」


 「ま、魔王ですからね、国務とかある事ですから、やめときましょう」


 あるレッドドラゴンの事も思い浮かべたりもしたが、あれはやりすぎるという、ある意味さっきの二名との共通項があったので、さすがに冒険者が近寄るのを禁止になるのはさすがに不味かろうとNGとなっていた。


 「そろそろ、おやつの時間だべ」


 そして、この会議の『結局、決まらない』という、いつもの光景に戻ろうとした時、ノックが響いた。


 「はい?」


 「シュロ、久しぶりだな」


 見ると魔剣士のファウルだった。


 「今日は珍しいのが手に入ったけど、俺のところじゃ置けないから、お前の店にでも置かせてもらおうかと思ってたのだが、会議とは意外と真面目にやってるのだな?」


 「意外って、失礼ですね。


 ですけど確かに、決まらないのは相変わらずですね」


 「まあ、新作と大怪我は隣り合わせだから、慎重になって当然だろう。


 …で『新製品、考案会議』ねえ」


 「ファウルさん、何かありますか?」


 「おいおい、部外者も何か言っていいのか?」


 最初は遠慮ぎみだったファウルだが、会議に混ざり話を進めるとファウルはようやく、意見をするようになった。


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