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第十四話 カッパにご用心

 本日休業…。


 シュロがいつもの様に、そこにやって来ると店の前にはそんな立て看板が出迎えていた。


 何も聞いていないシュロにとって、それはおかしいと思って、少し警戒してしまうが良く見ると玄関の辺りに張り紙があった。


 「ええと本日、店を開く日ではありますが、ワケあって休業とさせていただきます…?」


 疑問に思いながら窓に耳を澄ませるとダロタとブラドの声が聞こえたので、とりあえず入ってみる事にした。


 「あれ、今日はどうして休業なんです?」


 「おお、シュロ、やってきたか。


 いやな、今日はこの壷の補充をそろそろしておいた方がいいと思ってな」


 そういってブラドが見上げる視線の先には自分達が良くワナを作る時に使っている魔道の壷があった。


 ちなみにセリカにも許可はとってあるらしく、ハシゴを上り先にいたダロタを横切り壷を覗き込むと、確かにブラドの言った通り何を煮込んでいるのか解らない何かが減っていた。


 「コレの補充、ですか?」


 するとブラドは普段、別の部屋から『よいしょ』と大量の薬草の類を取り出してブラドはいった。


 「まあ、説明しながらやる事にしょう、まずこれらを煮込んでくれ…」


 …そうして、数個に分けられた鍋に薬草を煮て、力作業担当のダロタがかき混ぜている壷に少しずつ放り込む作業をしている事を一時間弱、次は何をするのかと聞くとブラドは解説書を読みながら答えた。


 「ええと、次は壷自体の火力を徐々に上げて、また一時間煮込む、そして『げっぷ』が出るのを待つそうだ」


 「げっぷ?」


 「煮込み続けると盛り上がってくる大きな『(あぶく)』の事を言うらしいぞ」


 「(あぶく)ですか、だったら、弾けたら危なくないですか?」


 「いや、材料とかの関係で弾ける事なく大きく盛り上がって、そのまま弾けずに戻るそうだ。逆に弾けたら失敗だ」


 答える途中でダロタも梯子を降りて来たので一旦、休憩を取って戻る頃には独特の匂いをさせながら、げっぷが出る雰囲気があった。


 「そろそろ、だろうな」


 少し自信がないのだろうかブラドが解説書を見ようとすると壷が少し揺れて、それは起こった。


 「おおっ!?」


 一瞬、天井に着くのじゃないのかと心配したが、すれすれで止まったのを見ながらブラドは答えた。


 「これは予想以上に凄いな…」


 ブラドが驚くのも無理も無い、だがゆっくりと徐々にげっぷが壷に入っていくのを見送っていると何かが見えた。


 「あれ?」


 「どうした、シュロ?」


 「今、何か影みたいなの見えただよ」


 ダロタも見えたのだろうか、火を止めて三人して梯子を上り壷を覗き込んだ。


 補充したてだからだろうか、うっすらと壷の中の様子が見えたのでそこを三人はそこを凝視してみる。


 「やっぱり何か…」


 答える途中、それは顔を出した。


 「…何見とんねん?」


 それはこっちのセリフとばかりに…。


 「カッパ?」


 それが返答の代わりに、こちらをめちゃくちゃ睨みつけていた。



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