第十三話 魔王に渡してならぬ物 その3
遅れてます
…そして、その週末、シュロはブラドと一緒にやってきた。
「…というワケなら、シュロよ。
世界が紛争なんて無くなれば嫌でもインターネットというモノが普及されるワケだ。
すると『アニメ』というのが、放送されるサイトがどうしても現れる。
となると、アニメオタクは確実に増える傾向にあると思うのだがな?」
「突然、何を言ってるのですか?」
そんなブラドと世間話をしながら、自分の店の前にたどり着くが、その時、『ワナの指輪』
が反応した。
「どうした?」
ブラドもそんな自分の様子が気になったのか、心配しながら聞いて来たが、この反応は味わった事があったので答えた。
「どうやら、ワナが仕掛けられているみたいですね」
「何だと?」
「初めてですよ、こんなに強力な反応…」
「おいおい、自分の店の中に保管しているワナが束なっているから、そんな反応を起こしてるではないのか?」
ブラドの言うとおり、店まで数歩すればドアへと手が掛かる距離だ。
しかし、その一歩を踏めば、痛いくらいの反応を見せるこの指輪がとても気になった。
「気のせいだろう」
しかし、そう言って、ブラドは何の用心も無く歩き始めて、シュロに振り返って聞いていた。
「どの辺に仕掛けられているのだ?」
そう聞いた時だった。
…そのワナがどこに仕掛けられているのかが解った。
「どああ!!」
前にレッドドラゴンに跳ねられた時より、ブラドを地面に水切りしながら吹っ飛ばした『それ』は我等の魔王。
「あら、ブラドだったの?」
自分からぶつかっておきながら謝る素振りも見せず、身なりを整えていた。
「セ、セリカさん、一体、何を…?」
するとセリカは、机に置いてあった本を片手に聞いてきた。
「ねえ、シュロ、これってどういう事なの?」
差し出した本は『漫画』だったが、書いてあったのは…。
パンを加えた主人公…まあ、ヒロインが『遅刻、遅刻』と走って、曲がり角に差し掛かると誰かとぶつかるという典型的な『出会い場面』が演出されているページである。
そして、セリカは『その次』を指して聞いてきた。
「とりあえず、ぶつかって喧嘩になるのはわかるけど…。
『見たわね』って、この子は何を『見られた』から怒ってるの?」
「そ、それは…」
最近、『ここ』の部分って、描写されない漫画が多いですよね?