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第十二話 三人集まれば、巨人合体 その4

 「ふぅうむ、夢か…」


 それだけ言って、大きく息を吸い込み、さっそく『一撃』を食らった


 「実に興味深いっ!!」


 バンッ!!!!!


 龍とは、硬いウロコを持ち、そのウロコは鉄よりも硬いとされ、どんな魔法も受け付けないとされている。


 龍とは、灼熱、毒素、冷気といった、ブレスを吐く生き物として有名である。


 しかし、このドラゴン、名はレクター。


 その話し声は…。


 「耳が、耳がぁ〜!!」


 至近距離でまともにくらって、のたうち回るブラド、その近くにいた二人も耳を押さえていたとおり、まさに『ハウリングボイス』だった。


 そして数分が過ぎて、ようやく耳が聞こえるようになった頃、レクターは口を開いた。


 「実は私達、龍族は、それを見た事がないのだ」


 「『夢』をですか?」


 「聞くところによると、この吸血鬼の通り『夢』とは、ありえない事が起きるそうではないか?


 そこで人間のキミに聞きたいのだが、どうすれば夢を見れるかね?」


 「そんな事、聞かれましても困りますよ。


 私達だって、狙って見れるモノじゃないのですから…」


 それを聞いて『ふぅむ』と頷いてレクターは質問を変えて聞いてきた。


 「じゃあ、どうすれば、見れるようになるかね?」


 「少し待ってもらえますか…?」


 3人を集めて、店内に入って相談する事にした。


 「どうするべ、シュロ?」


 「そんな事を言われましても…」


 素直に『無理だ』と言って、帰らせてもらおうと始めは考えたのだが、レクターは付け加えるようにこう言った。


 「もし、夢を見る事が出来たら私の『ウロコ』をくれてやろう」


 「やろう、シュロ、ビックビジネスのチャンスがやってきたようだ」


 どうもブラドの財布事情は、かなり切実なものらしい。


 こうなると、やる様になっていくのだろう。


 「まあ、出来る限りの事をやって、大人しく帰ってもらうしかないですね。


 とにかく、話し合ってみましょう」


 そうして外にて『どうすれば夢がみれる?』という名目で話し合いが行なわれる事になった。


 「楽しい事を経験したら、その楽しい事を連想した夢を見ると聞きますが、レクターさんが、最近楽しいと感じた事はありました?」


 「う〜ん、すまないが、人間と私の寿命は違うからな。


 『楽しい』と感じる事は、もう食事くらいしか感じなくなっているのだよ」


 『ぐるり』と喉を鳴らして何故かダロタを見たレクターは『他はないか?』と聞いてきた。


 「じゃあ、次は…ああ…」


 「どうした?」


 「今度は『怖い事を経験すれば』というモノなんですが…」


 「なるほど、確かにそれはないな」


 「私達の雇い主を呼べば良いかも知れませんが、おそらく貴方が『怖い』というのを感じないで戦ってしまうような気がしまして…」


 「だったら、お前達がやればいいじゃないか?」


 『はい?』と三人がワケもわからず、レクターを見ると軽く笑いながら言った。


 「ここは『ワナを作る店』なのだから、私のウロコをモノともしない、武器くらいはあるはずだろう?」


 「確かに『ドラゴンキラー』といったモノがありますが、まさか…?」


 『グルル』とどこの器官を鳴らしているのかわからないような音を鳴らしながら、三人はまた話し合った。


 「シュロ、どうするだ?」


 「明らかに『やる』空気になってますね。


 やっぱり、断った方がよかったですかね?」


 「多分、それは正解だろうな」


 そして、ブラドがレクターを見たとき、明らかに自分達が『手遅れ』だとわかった。


 「…で、誰が行くのだ?」


 レッドドラゴンはやる気、満々だった。



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