第十二話 三人集まれば、巨人合体 その2
次は、ああ…これも似たような種族系の質問で、少し参ってしまいましたね。
ペンネームは『ベルモンド一族』さんからですが…。
Q.ブラドさんは『ヴァンパイア』と言われてますが、昼間でも、堂々と歩いてますが大丈夫なのですか?
―ええ、まあ、そうですね。
一般的にヴァンパイアは『十字架に触るとヤケドする』や『ニンニクの臭いが嫌い』とか『太陽光を浴びると肺炎になる』なんて言われてますが…。
…アレは嘘です。
大体、あんなに弱点があったら、モンスターとしても大問題ですからね。
はい、続いてのお便りは、ペンネーム『AKB』さん。
Q.ブラドさんは地上に出る事は多々あるそうですが、明らかにシュロと違う地上に出ている気がするのは私だけでしょうか?
はい、アキハバラです。
どこにいるのかってのは…。
ね…。
ちなみに前の質問に戻りますが、昨日も地上の方へ出て、アキハバラではございませんが…。
あの〜。
餃子というモノを食べて来ました。
その店には、お持ち帰りも出来るそうなんで、今度、みんなにも食べさせてあげたいと思います。
はい、続いてのおたよりは『RPGマニア』さん。
Q.シュロ、ダロタ、ブラト、セリカ、カイリの五人は『不思議のダンジョン』にてどのようなステータス、及び、特殊能力が使えるのですか?
…という事ですけどね。
あっ『ト』になってますね。
後で見つけ出して、額を人差し指で『ズブリ』と行っておきます。
えっと、まあシュロの方はですね。
基本的に武器を何でも装備できます。
…主人公にありがちですけど、ただし指には『ワナ作りの指輪』があって指輪が装備出来ません。
あとはワナがどの位置にあるのか、その指輪の力で見えるという能力があるくらいですかね。
後半に役立つスキルですけど、まあ…シュロですから。
続いて、ダロタは基本はシュロと変わりありません。
ですがオーク独特の特性といいましょうか、シュロより攻撃力は高いそうです。
巻物とか使えませんけど、休憩時間に日々、シュロとチャンバラをしていた事もあって、基本的な武器は、ほとんど使えます。
そして、私ですが武器なんか装備…というより、使う気ありません、まあ自分の能力である『眼光』という能力でですね。
敵の動きを止めて『チクリ、チクリ』とですね…ええ。
続いて、セリカ様ですが…」
「何やってるの?」
「あっ…」
「前から内緒で何をこそこそやっているのかと思ってて、シュロが休みだから来て見れば、何これ?」
「いや、セリカ様…その…前回、出番なかったじゃないですか、だから…今回、この放送を設けましてでしてね…」
「だからって、2話分も尺をとって良いと思ってるの?」
何も言い返せないのか、そのまま小さくなるブラド、その姿はダロタより小さかった。
「まあいいわ」
しかしそんな意外なセリカの返答をしたので、セリカは驚いたままのブラドに言った。
「さっき貴方、今回は『爆発オチはない』と言ってたじゃない?」
「じゃ、じゃあ、セリカ様!?」
「ええ、許さないわ」
やっぱり、その辺はセリカらしかったが、更にありえない事を口にした。
「というワケで、今回はシュロに任せましょうか」
「えっ、シュロですか、今日は風邪を引いて…」
後は任せたというのだろうか、ただセリカは『ふふっ』とそんな笑みを自分に浮かべていた。
そして、そんな自分は…。
「はっ!?」
そんな夢をみていた。
「何という夢を…」
変な夢だった。
それは、ただ二人が深夜にラジオ放送をしていたからではない。
ただセリカが乱入してきて『夢オチをしろ』と命令してきたからではない。
ただ…。
その夢に登場していたダロタ…。
その背中に…。
「チャックが着いてた」