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第九話 哀しき戦士たち その6

ちなみに次回で第九話は終わりです

 「それで、お前の御方とやらはどこに隠れているんだ?」


 数分後、帰還した自分達は、憎たらしいネズミがもたらした情報を詳しく聞くため、元のサイズに戻っていた。


 「これ以上、時間を掛けると帰る時間になるんですよ。

 話してもらえませんかね?」


 「私も甘く見られたモノですね。

 それで、口を割るとでも…?」


 そう言うと、『ぷい』と顔を背けたので…。


 「ダロタ嬢…」


 ダロタが頷きネズミに…


 「な、なんだ…痛たたたたっ!!」


 『動』


 「ムチは、ムチは駄っ目ええええっ!!」


 『物』


 「あちっ、ロウがロウがたれてるっ!!」


 『虐』


 「これ以上、重いの乗せないで…痛いでっすぅぅぅぅ!!」


 『待』


 とりあえずダロタのやっている事は、教育上よろしくない『4文字』なのでバラバラに使い表現する事でよしとしよう。


 あとはダロタの格好とか、ネズミが何か言っている事とか『絶対』怪しくないけど、時間が迫っているのであえて、ブラドも突っ込まず、何とか生きているネズミに言った。


 「あのなあ、勇気のあるネズミ達と称賛だったな。

 その意気込みは買ってやるが、『始めて』だと思うのか?」


 「そ、それは、どういう事でございましょうか…」


 「ネズミが怖いという事を利用する魔王がいなかったと思うのかと聞いているのだ」


 聞く所によると、その弱点を利用する他の魔王はいたようだ。


 その時、何が起きたのかというと、自身の城を破壊するだけでは気が治まらなかったらしく、相手の国にそのまま攻め込み…というより、消滅させたらしい。


 「誰とは言わないが、その赤毛の魔王は、以来、セリカ様にネズミだけは使ってはならないと感じたそうだ」


 「じゃ、じゃあ…?」


 「お前達ごときの心配をするつもりはないがな。

 消滅は避けたいだろう?」


 ガチャ…。


 「シュロ、そろそろ帰る時間みたいだけど終わったの?」


 その時、消滅の主がドアを開けた。


 ……。


 バタンッ。


 ……。


 「…看板見なかったんですかね?」 


 「そんなの通用する人ではないという事だ…。

 どうする、消滅はすぐそこまで迫っているぞ?

 逃がしてやるから、大人しく教えろ。

 お前だって、消されたくないだろう?」


 「そ、それはそうなのですが…。

 あの御方は、どこにいるのやら、私も知らないのですよ」


 「何ぃ…ダロタ!!」


 「んだっ!!」


 「ままままって、ホントなのですよ。

 『新しい別荘を作ったから、しばらくそこで過ごす』と言ったきり、戻ってこないのですからぁぁぁぁっ!?」


 …ちなみにダロタはオスです。


 「別荘に心当たりは?」

「さあ、木で出来た像に穴を彫った…とくらいしか聞いておりませんから…」


 「木彫りの像だと…」


 言葉を頼りに部屋を探すが、この店にはそんなモノがない。


 「小さい部屋だがなかなか快適と聞いていただけですから…」


 だが…。


 「小さい…木彫りの…」


 三人は視線はある一点を見ていた。


 「ガラス割れておりますね…」


 ネズミが言ったように、そこはガラスが割られている…。


 『小さく』手ごろなサイズの、魚を咥えた熊の『木彫りの像』の形でセリカが打ち抜いた窓がそこにあった。


 その7に続く…。


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