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お怒りの魔王 その2

 「別に鍛錬くらい良いじゃねえか、お前だって付き合ってする事があるだろ?」


 カイリはセリカの様子を理解出来ないらしく、構わずカイリは上段からの攻撃を繰り出した。


 当然、加減はある。


 シュロはそれを受け止めていると『あっ』と気まずそうな顔を見せたので、カイリは咎められてしまう。


 「だから、上段からの攻撃は『受ける』じゃなくて?


 「『避ける』でしたね」


 自分の間違った動作に、シュロは反省をする。


 「頭ではわかっているのですが…。


 何だが現実味がなくて、つい受けてしまうのですよ」


 「ま、武器(えもの)が木刀だからな」


 カイリもいつもの笑顔を浮かべ、腕に力を入れるのがシュロにもわかり、顔を引き面せる。


 「でも魔界じゃ、でっかい武器エモノを簡単に振り回すヤツ何て普通にいるんだから...」


 そして、カイリの笑顔が増す。


 「カイリさん、ちょ、ちょっと...」


 つばぜり合いにもならない、一方的な力比べにシュロは押し倒されてしまい、尻もちをついた。


 「避ける癖くらいつけとかないと、重量おもさでやられちまうぜ?」


 どこにでも見るであろう教授に、セリカは不機嫌だった。


 「シュロ、今度は私と手合わせしてみない?」


 「おいおい、今は俺の番だろ?」


 セリカは言葉を待たずに、シュロの前に立ち。


 「さあ、いらっしゃい」


 構えたが、


 「すいません、セリカさん。


 カイリさんで、お願いします」


 シュロが断りを入れた事で、カイリも気づいた。


 「なんだ、やったこと無いのかよ?」


 ようやくである。


 「どうしてよ?」


 見てもわかるくらい、不機嫌になるセリカにシュロは言って良いのか迷いを見せ、


 「だって、セリカさん...」


 セリカの構えを、改めて眺める。


 彼女は両手を心なし広げ身構え、その彼女の周囲には抑えきれないのか、魔力が陽炎のように彼女の周りの空気を焼く。


 改めて観察して、間違いない。


 「絶対、手加減出来ないですよね?」


 「......」


 「ぷっ!!」


 吹き出したカイリをみて、さすがにセリカは怒りを浸透させながらいう。


 「で、出来るわよ」


 「どうして言い淀むのか...?」


 「まあ、シュロ。


 ブラドにやらせてみようぜ?」


 カイリはケラケラとしながら、ダロタと談笑していたブラドを呼び寄せた。


 「どうしたのでしょうか?」


 ちなみに今から何をするのか、全く知らない状態である。


 「なあ、ブラド。


 ちと、セリカと手合わせしてみ?」


 「はあ!?


 何ですか突然。


 どうして私がセリカ様とやらなければならないのですか!?」


 「いやぁな、先にシュロとやりあう話になってたんだけど、試しにお前でやってみようという話になったんだ?」


 そう言われて、ブラドはセリカを見てカイリに向き直ると...。


 「...勘弁してもらえんでしょうか?」


 その一言に、セリカはブラドを吹き飛ばした。


 「予定調和だな」


 「これだからやりたくないのですよ」


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