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宿題は計画的にやる事が、一番効果的である その2

 「なあ、シュロよ」


 「何ですか?」


 「どうして、メガネキャラというのは、本を近づけて読むのだろうな?」


 「そんなの知りませんよ」


 ブラドの指摘どおり格好で、イインチョはシュロの教科書を読んでいた。


 「営業終わりの態度を調べに来たのですがこれは思わぬ収穫」


 おかげでシュロは宿題をこなすスペースを無くしてしまっていた。


 だが、一向に注意する様子は無く、シュロは緊張して事の成り行きを見守っていた。


 いや、彼だけを『緊張』と括るのは良くないだろう。


 「……」


 ブラドたちも『緊張』してシュロと目を合わせるなり頷くのは無理も無い。


 「こんな時にこれは地上の教育水準を計れるとは今日は良い日でございます」


 「……」


 再度、三人は目を合わせる。


 「気をつけろよ、シュロ」


 「はい…」


 そろそろお気づきだろうか、この三人。


 イインチョは苦手なのである。 


 「相変わらず失礼な人達ですね私はあの二人よりかは安全な方でしょう?」


 「どうだかな、あんな査定をされればな」


 「誰でも失礼になりますよ」


 シュロとブラドは頷き合い、これまでの戦い「?」の歴史を紐解いた。


 「まずはゾンビを入店禁止にしてる辺りで、評価を下げるわ」


 「それは前に説明したとおりではございませんかシュロ様にしても原因はあるでしょう?」


 「ここに来る時に拾った、道具ですら、売り物にしているというヤツですか?


 言っておきますが、あれは好意なんですよ?」


 「ほう好意?」


 「魔界で商売しているのは、基本的に地上の皆さんには秘密にしているのですから、その過程で拾っておかないといけませんでしょう。


 ですが私達のお店側にしてみれば、拾い集めたモノを、在庫に加えると帳簿上の計算は厄介になるから、売り物にしているわけでございましてね。


 回復類は基本的に無料提供ですよ?」


 「ですがお店と言うのは何を売っているのかを明確にさせる必要性があるモノです」


 「ですから、それがマイナスの評価になりますと?」


 ブラドは不機嫌そうにイインチョのグルグルメガネを凝視する。


 「私としてはどうして不機嫌なのか理解できないのですが?」


 「そんな事で評価を下げられればな。


 魔族でも人間でも、普通に不機嫌になるだろう」


 「ですがそれは些細なマイナス評価だと思います皆さん大きなマイナス要因を忘れてませんか?」


 「大きなマイナス?」


 「セリカ様カイリ様の攻撃でここは月単位で最悪でも日常単位で店舗を変えているではありませんか?」


 「「『それは仕方ない』だろう」でしょう」


 「声揃いましたねー」


 あまりのシンクロにさすがにブラドとシュロは笑っているが、イインチョはメガネを光らせる。

 

 「私としてはそれほど評価を下げる要因があっても評価の変動値が変わりないのは凄い事だと思うのですがね」


 そう言って、彼女は再度、教科書を超至近距離で読み始めて言う。


 「この教科書にある『~より抜粋』とはおおよそを抜粋した内容なのでしょうが人間生きている内に正しい文章に会えるのか疑問なモノですね」


 シュロは何も言わないのは『コレも評価になるのか?』と不安になったからである。


 そのため彼女が問題集に手を伸ばすのは、止められなかった。


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