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男の子である僕は女湯に入る決意を秘めて、大浴場へと繋がるドアを開けた。
「きゃははは。あ、ツバサお姉ちゃん、やっときてくれたよ~~~。おい~~い」
浴場はまるでプールであるかのように広くて、泳ごうと思えば10m水泳ぐらい出来そうなぐらいだった。
浴室の中では濡れれるのも気にしないで、髪をお湯の中に垂らしたルルルちゃんが、元気よく手を振っていた。
僕は自分の大切なところをでタオルで隠しながら、苦笑いで手を振り返す。
大丈夫。
ルルルちゃんはまだ小さいし。
僕はロリコンじゃない。
ルルルちゃんの裸を見ても………何も感じたりなんかしないんだからね。
決意を胸に濯ぎ場へと行こうとすると、
「おうぃう」
咄嗟に鼻を押さえてしまった。
見えたは肌色をした美しい割れ目のある桃だった。
やばいやばいやばい。
一瞬見ただけだけど、ラグナロさんの後ろ姿が頭の中から離れない。
「ツバサ殿、どうされたのでござるか、ご気分でも悪いのでござるか?」
「ちがう、そうじゃないけど………」
「ならば、こちらに来て、一緒に汚れを落とそうではないか。不精ながら、拙者がお背中をお流しするでござる」
無理、無理、無理。
そんなの絶対に無理だって。
遠くから見ているだけでも、鼻血が噴き出しそうなのに、そんな事されたら、絶対に出てしまうって。
あ、出るって血の事だからね!
別のものじゃないからね、絶対に勘違いしないでよ!!
お願いだから!!
「そうはいかぬ。ツバサ殿は、姫様の大切なご客人だ。失礼があっては、拙者、姫様に顔向け出来ないでござる」
「だ、だから、大丈夫ですって。僕なんかの事はお気に掛けずに」
ああ、まずいよ、まずいよ。
僕は男の子なのにどうして女湯に入っているの?
タロウさんの事が気になって、つい来ちゃったけど。
これって、完全に犯罪で、変質者じゃん。
「そうか、それは残念でござる。しかして、ツバサ殿、どうして、タオルで前を隠されているのだ?」
ギククギュゥウウウウウウウウウウウウウ。
「そそ、そそ、そ、それは………」
やばい。
そりゃ、気になるよね。
この異世界には男って言葉は存在していないみただけど、このタオル取られてアレをみられちゃったら、もう言い逃れできないよね。
僕は女湯に乱入した野獣って目で、みんなに蔑まれるんだ。
「もう、ルルル達は今日から家族なんだから、隠し事なんてなしだよぉぉ」
さらりとそんな形容詞が似合うほど華麗に、僕の前をルルルちゃんが駆け抜けていった。
ルルルちゃんの手には僕が必死に隠していたタオルがある。
やばい、僕の秘密を隠していた大切な布が盗まれた。
「ぁぁ」
気持ちの良い風が股の間を通り抜けていって、僕は素っ裸ででみんなと向き合うしかなかった
「これは、ツバサ殿………」
「わぁぁぁぁ、ツバサお姉ちゃんのって………」
みんなの視線が僕の一点に集中している。
せめてもの救いはそそり立ってなかったこと………じゃなくて、これはもう弁明のしようがない絶対絶命ってやつだよ。
「あの、ごめんなさい………僕……」
どうしよう、涙が浮かんできたけど。悪いのは全面的に僕で…………。
「ツバサお姉ちゃんのお豆さんって、すっごく大きいぃぃぃ!!」
「え?」
いや、ルルルちゃん。
お豆さんってそれは女性特有のアレのことを指しているんだよね。
ソレの事じゃなくて、僕のコレは正真正銘、男の象徴なんだけど。
「そうでござったか。ツバサ殿の胸は全然育っていないようであったが、栄養は全部下に行ってしまったのござるか」
ラグナロさんもなんか、納得したように頷いてるけど、違いますから。
僕のコレは栄養で大きくなった訳じゃないですから!(今は、緊張しているから、萎んでいるけど………(T_T))
「なるほど、ツバサ殿はそれで隠していたのか。だが、安心して良いでござるよ」
安心って何をなの?
「拙者達は、そのように肥大化したお豆をみなれているのでござるよ」
………それって、僕と同じように下についている人がいるって事。
「そうであろう、タロウ殿」
もしかしたら、そうかも知れないって予感はあった。
でも、この世界の人たちはだれも男なんて概念を知らなくて、僕は世界で一人きりじゃないのかなって思っていた。
でも違ったんだ。
下についているのは、僕だけじゃなかった。
「ツバサ君とは一度ゆっくりとお話したいデス」
僕からさらに遅れること浴場に入ってきたタロウさん。
湯気が晴れていき、真実を導き出していく。
白い肌を水滴が滑り落ちていく彼女………いや、彼の股間には、僕と同じ物がついていた。
「キミも男の子……」
「今はどちらかといえば、男の娘デスね」
どうしよう。
まずいよ、安心したからか、さっきとは違う涙が滲んできたよ。
まさか、男の裸をみて感動する日が来るなんて夢にも思わなかったよ。




