表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/64

1-2


「はっ」


 息苦しいよ。

 あれ、僕はどうなったの!?

 目を開けようとも真っ暗で何も見えないし、口が柔らかい何かで覆われているし、鼻も何かで押しつけられている。


 これってつまり………息が出来ないって事だよ!!


 何、何、なんなの、この状況は。

 息が、息が、息がぁぁぁぁあ。


「きゃあぁつ」

「がはぁぁぁ、はああああああああああああ」


 口から柔らかい何かが離れて、やっと息が出来るようになった。

 一秒でも早く酸素を体中に送り込みたくて、僕は勢いに任せて落ち上がって……ゴツンと頭を打ち付けた。


「いたたたた」

「たたたた」


 ひりひりとするおでこを撫でながら、前を見た僕は……痛みなんて忘れて目を見張った。

 だってそこには、とびっきりの美少女がいたんだよ。

 陶器のように白い肌は一目見ただけでその柔らかを確信出来る。スラリとした顔つきに、流麗な黒髪がサラサラと触れる姿はもはや芸術品としか思えない。

 でも、美しすぎる故の近寄りがたさは感じない。

 それは、瑞々しい桃色の唇が僅かにへの字に曲がり、クルリとしている瞳にはうっすらと涙が浮かんでいて、彼女がとても人間らしく思えてしまうからかな。


「もうぅ、今日は、すっと、頭を打ってばかりなのですぉ」


 それはとても甘い声だった。

 まるでチョコレートを溶かし込んだような、いつまでも聞き続けていたいと思ってしまう甘美な声色だった。


『アタシを助け出して下さい』


 あの白い渦から聞こえてきた声とてもよく似て………


「ぁああああああああああ!!」


 もう、今さらだけど、ここって何処なの!?

 確か僕は、人気のない神社にいたはずだよね。

 でも、あそこにはこんな美少女はいなかったし、


「回りは白い大理石で、天外突きのベットに、たくさんのひよこのぬいぐるみ」


 ここは何処かの部屋みたいだった。

 慌てて、ベランダに出て、開けた景色を一望すると、


「うっっそ…………」


 僕は言葉を失ってしまった。


 ここは本当に何処なの?


 僕がいるのはどうやら、丘の上に立つ建物みたいだった。

 視界を遮るものは何もない。

 ビルなんて高層物は何もない。

 見える建物は精々3、4階建てぐらいだった。

 しかも、コンクリートで作られた建物なんて一つもない。

 みんなレンガ造りの屋敷で、通りを走っているのは、馬車だ。

 まるで中世の街並みだ。

 こんなの絶対、日本な訳がない。


「まさか……異世界だとでも言うの?」


 思わず、ベランダの上にお尻からへたり込んでしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ