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終園のハーレム

「なあ、翼ちゃんは、ハーレムって知っているか?」


 足が止まった。

 怖くて彼女の方を向くことが出来ず、僕はよどんだ星空を眺め続けることしか出来ない。


「漫画とかだと、一人の男性の回りに、たくさんの女の子がいて、みんなその子の事が好きで、モテモテな状況とかに使われるよね」


 でも、彼女が伝えたいのはきっとそんな事じゃない。


「それは後からついてきた意味だ。本来ハーレムとは、聖域を意味し、男性の進入が禁止されている場所のことを意味している」


 彼女が近づいてきて、背中からそっと僕を抱きしめた。

 耳に吐息が吹きかかるぐらい近くに口を寄せて、囁く。


「それって、まさにあの世界の事だとは思わない? 男を拒絶した者が作り出した、哀れな逃避の異世界」


 全てを知った今、その言葉を否定出来なかった。

 込み上げてくる感情が瞳からこぼれ落ちてしまわないように僕は、ぼやけ始めた星空を見上げ続けた。

 星空の向こうに、もう会うことの出来ないお姫様、リンジュの姿を思い浮かべながら。


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