記憶のなかのきみ
久しぶりに聞いた歌声は
いまでも心をしめつけて
さらって行く
あの頃と同じ場所へ
夢をみていた
幼さのなかで
それでも知っていた
胸を焦がす情熱も
痛みも
渇望も
ぜんぶ
理不尽で構わないと
線路を辿って歩く姿に
ほんの少しの切なさと恋をおぼえた
届かない熱だけが
ただ支配する心で
見つめ続けた背中
あなたがわたしの青春だった
前を見つめる瞳に憧れて
いまでもまだ
いつでもまた
わたしはあなたに帰る
声を聞くたび
姿を見るたび
あの頃より大人になったわたしは
それでも揺るがぬ想いを
思いだす