マルペン憎し
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第52話 マルペン憎し
「マルペンは邪魔だ。」
暗い執務室で、男は低く呟いた。
「商品が被るだけならまだいい。
だが奴らの品は質がいい。評判もいい。
このままでは……うちが先に潰れる。」
机を叩く。
「何とかせねば。」
ふと、男は笑った。
「ああ……そうだ。あいつがいるではないか。」
マルペンに移った元部下。
そして――借金持ち。
「借りは返してもらおうか。」
ヒッヒッヒ。
◆
「販売課長の旦那様、少しよろしいですか。」
仕事中に声をかけられ、販売課長は眉をひそめた。
「借金なら今月分は払ったぞ。」
「いえいえ。今日は別件で。」
差し出された封書。
差出人の名を見た瞬間、喉が鳴った。
中を開く。
――マルペンを潰せ。
手段は問わぬ。
成功すれば復帰させ、借金は帳消し。
裏切れば、お前の家族はどうなるか分からぬ。
指先が震えた。
マルペン商会には恩がある。
拾ってくれたのは、あの社長だ。
だが、あの方にも恩がある。
逃げ場がない。
その夜から、酒量が増えた。
くる日も、くる日も。
仕事はこなす。
だが視線が泳ぐ。
罪は、まだ犯していない。
だが心は、すでに崩れ始めていた。
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数年経って、仔犬の現在の飼い主が自分を探してるときき、その家に行ってみた。
すると家はちょうど引っ越しでバタバタしてた。
引っ越し先では犬飼えないから返すという。
開いた口が塞がらない。
本当に開いた口が塞がらなかった!
このこも酷いが親はもっと酷いと思った。




